ナズナ(ぺんぺん草)の塗り絵
ナズナ(ぺんぺん草)の特徴
「ぺんぺん草」の本当の名前
ぺんぺん草——聞いたことがあるかな。「ぺんぺん草も生えない」なんて言い方もあるよね。あの草の本当の名前がナズナなんだ。
校庭のすみ、通学路のわき、畑や庭のかたすみ。日当たりがよければ、どこにでも生えている草だよ。春になると、細い茎をすっと立ち上げて、白い小さな花をさかせるんだ。
実の形は、三味線の「バチ」
ナズナのいちばんの目印は、実の形だよ。茎にそって、ハートを逆さまにしたような、平たい実がずらりとならんでいるね。
この形が、三味線をひくときに使うバチにそっくりなんだ。三味線の音を「ぺんぺん」と表すことから、ぺんぺん草という名前がついたと言われているよ。
実の形は軍配にもたとえられるんだ。おすもうさんの行司さんが持っている、あの道具だね。上のふちが浅くへこんでいて、下がとがっているんだ。塗り絵でその形をなぞってみると、なるほどと思うはずだよ。
くるくる回すと、音が鳴る
ナズナは、音の出る草なんだ。やり方はこうだよ。
まず、実がたくさんついた茎を折り取る。次に、実の柄を1つずつ、そっと下に引っぱる。すると柄がちぎれて、実が皮1枚でぶら下がった状態になるんだ。全部の実をこうしていくよ。
そうしたら、茎を手のひらではさんで、でんでん太鼓のようにくるくる回す。ぶら下がった実どうしがぶつかって、ちゃらちゃらと小さな音が鳴るんだ。
これがナズナのいちばん楽しい遊び方。塗り終わったら、ぜひ本物でためしてみてね。
花は白くて、花びらが4枚
茎のいちばん上に、白い小さな花がかたまってさくよ。花びらは4枚で、十字の形をしているんだ。
大きさは直径3ミリほど。とても小さいから、しゃがんでよく見ないと形が分からないよ。
おもしろいのはさく順番。下から上へ順にさいていくから、上のほうは花、下のほうはもう実になっているんだ。だから1本の茎で、花と実の両方が同時に見られるんだよ。花期は春から夏(3月から7月)だよ。
春の七草のひとつ
ナズナは春の七草のひとつでもあるんだ。1月7日に食べる七草がゆに入る、あの7種類のうちの1つだね。
食べるのは、まだ茎が立っていない、地面にはりついた若い葉。冬のあいだ、野菜が少ない時期のたいせつな食べものだったんだ。
おかゆに入れて食べたことがある人もいるかもしれないね。校庭に生えているあの草が、七草がゆの中に入っているんだよ。
地面にはりついて、冬をこす
ナズナのタネは秋に芽を出すんだ。そして冬のあいだは、茎を立てずに、葉を地面にはりつくように放射状に広げてすごすよ。この形をロゼットというんだ。
なぜ地面にはりつくのかというと、そのほうが風に当たらず、地面の熱をもらえるから。寒さをしのぐための、かしこいすがたなんだよ。
塗り絵の下のほうにある、ぎざぎざに切れこんだ葉が、そのロゼットだよ。春になって暖かくなると、この真ん中から茎がぐんと立ち上がるんだ。
ナズナ(ぺんぺん草)の色を塗るコツ
実は白いまま、ふちだけ緑に
ナズナの実はうすい黄緑。とてもうすい色だから、中を白いまま残して、ふちだけを緑でなぞるのがきれいだよ。
実は数がたくさんあるから、全部をこく塗ると絵が重たくなってしまうんだ。下のほうの大きな実は少しこく、上の小さな実はうすく。こうすると、上にいくほど若い実だということが伝わるよ。
花は白。ぬらずに残すのがいちばん
てっぺんの花はまっ白だから、ぬらずに白いまま残そう。花の真ん中だけをうすい黄色にすると、花びらが4枚あることがはっきりするよ。
つぼみはうすい緑。花のかたまりの真ん中に集まっているから、そこだけ緑にすると、外側の白い花がぱっと引き立つんだ。
根元の葉は、こい緑で
下のほうの、ぎざぎざに切れこんだ葉は、実や花よりずっとこい緑をしているよ。ここをしっかり塗ると、絵全体がぐっとしまるんだ。
葉の切れこみは深いから、ふさを1つずつていねいに塗っていこう。切れこんだすきまは白いままでだいじょうぶ。そこが白いから、葉の形が見えるんだ。
茎は上へいくほどうすく
茎は根元がしっかりした緑、上にいくほどうすい黄緑になるよ。1本の茎の中で色を変えるのは少しむずかしいけれど、うまくいくと、すっと立ち上がった感じが出るんだ。
2枚目の絵は茎が何本もならんでいるから、1本ずつ緑の濃さを変えるのもおすすめ。奥行きが出て、草むららしくなるよ。
塗ったら、音を鳴らしに行こう
塗り終わったら、この絵を持って校庭へ。バチの形の実を目印にさがしてみてね。
見つけたら、実の柄を1つずつそっと下に引っぱって、皮1枚でぶら下がった状態にしよう。それから茎を手ではさんでくるくる回す。ちゃらちゃらと音が鳴ったら大成功だよ。
ナズナ(ぺんぺん草)の豆知識
「ぺんぺん」は三味線の音
ぺんぺん草の「ぺんぺん」は、三味線をひく音を表した言葉なんだ。
理由はふたつ言われているよ。ひとつは、実の形が三味線のバチにそっくりだから。もうひとつは、実をぶら下げてくるくる回すと音が鳴るから。
どちらにしても、この草と三味線が結びついているのはたしかだね。むかしの子どもたちも、同じ遊びをして音を鳴らしていたんだ。
名前の由来は、2つの説がある
「ナズナ」という名前の由来には、おもしろい説が2つあるよ。
ひとつめは夏無き菜。早春にさいて、夏になると枯れてしまうから「夏の無い菜っぱ」という意味だという説だよ。
ふたつめは撫で菜。「撫でたいほど小さくてかわいい花」という意味だという説なんだ。
どちらが本当かは分かっていないけれど、ふたつ目の説を知ると、あの小さな白い花がよけいにかわいく見えてくるよね。
1本の茎に、花と実が同時にある
ナズナの花は、下から上へ順番にさいていくんだ。だから1本の茎を下から見上げていくと、こうなっているよ。
いちばん下は大きく育った実。真ん中あたりはまだ小さい実。そしててっぺんはさいたばかりの白い花。
つまり1本の茎の中に、時間の流れがそのまま残っているんだ。下から上へ目で追っていくと、この草が何日かけてのびてきたかが分かるんだよ。
「ぺんぺん草も生えない」の意味
「あの店はつぶれて、ぺんぺん草も生えない」——こんな言い方を聞いたことがあるかな。何も残らないくらい荒れはてたという意味だよ。
どうしてナズナなんだろう。それは、ナズナがどんなにやせた土地でも生える草だから。そのナズナすら生えないなんて、よほどのことだ——という言い回しなんだ。
つまりこの言葉は、ナズナのたくましさをほめていることにもなるんだね。
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ナズナ
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ナズナの群れ
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ナズナの花と実(上から見た様子)
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