ザトウクジラの塗り絵

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ザトウクジラの特徴(とくちょう)

海(かい)を「はばたく」ように泳(およ)ぐ、大(おお)きなクジラ

ザトウクジラは、体(からだ)の長(なが)さが13メートルから14メートル、体重(たいじゅう)は30トンから40トンにもなる、とても大(おお)きなクジラだよ。体育館(たいいくかん)くらいの大(おお)きさの生(い)き物(もの)が、目(め)の前(まえ)の海(かい)から飛(と)び出(だ)してくるところを想像(そうぞう)してみてね。
このクジラのいちばんすごいところは、鳥(とり)のつばさみたいに長(なが)い胸(むな)びれを大(おお)きく広(ひろ)げて、海(かい)の中(なか)をゆったりと「はばたく」ように泳(およ)ぐところなんだ。

名前(なまえ)は、琵琶(びわ)を背負(せお)った「座頭(ざとう)」から

「ザトウクジラ」を漢字(かんじ)で書(か)くと座頭鯨(ざとうくじら)。むかし、琵琶(びわ)という楽器(がっき)をひいて旅(たび)をしていた「座頭(ざとう)」とよばれる人(ひと)たちがいたんだ。
海(かい)にもぐる直前(ちょくぜん)に見(み)せる背中(せなか)のまるい形(かたち)が、琵琶(びわ)を背負(せお)った座頭(ざとう)のすがたにそっくりだった。だから、この名前(なまえ)がついたと言(い)われているんだよ。クジラの名前(なまえ)に、むかしの日本(にほん)の風景(ふうけい)がかくれているなんて、おもしろいよね。

いちばんの目印(めじるし)は、体(からだ)の3分(ふん)の1もある胸(むな)びれ

1枚目(まいめ)の塗(ぬ)り絵(え)を見てみよう。上(うえ)に大(おお)きくふり上(あ)げている、細長(ほそなが)いひれがあるよね。これが胸(むな)びれ。なんと、体(からだ)の長(なが)さの3分(ふん)の1もあるんだ。
これはクジラの仲間(なかま)の中(なか)でもとびぬけて長(なが)くて、ザトウクジラの学名(がくめい)メガプテラは、ギリシャ語(ご)で「大(おお)きなつばさ」という意味(いみ)なんだよ。よく見(み)ると、胸(むな)びれの前(まえ)のふちがギザギザしているのが分(わ)かるかな。ここにも小(ちい)さなこぶがならんでいるんだ。

頭(とう)のこぶは、感(かん)じるためのセンサー

頭(とう)の上(うえ)と下(した)あごに、ぽつぽつと丸(まる)いこぶがならんでいるのに気(き)づいたかな。これは結節(けっせつ)とよばれるもので、ひとつひとつのてっぺんから毛(け)が生(は)えているんだ。
この毛(け)で、まわりの水(みず)の動(うご)きを感じ取(と)っているのではないか、と考(かんが)えられているよ。こぶにはフジツボがくっついていることも多(おお)くて、それがクジラの顔(かお)つきをよりごつごつして見せているんだ。

体(からだ)ごと空(そら)へ飛(と)び出(で)す大(だい)ジャンプ

ザトウクジラは、体(からだ)の3分(ふん)の2、ときには全身(ぜんしん)が海面(かいめん)から飛(と)び出(で)すほどの大(だい)ジャンプをするよ。これをブリーチングとよぶんだ。3枚目(まいめ)の塗(ぬ)り絵(え)は、そのしゅんかんをえがいたものなんだよ。
30トンもある体(からだ)が空中(くうちゅう)に飛(と)び上(うえ)がって、ものすごい水(みず)しぶきをあげて落(お)ちてくる。なぜジャンプするのかは、まだはっきり分(ふん)かっていないんだ。体(からだ)についた虫(むし)を落とすため、仲間(なかま)に合図(あいず)を送(おく)るため、ただ遊(あそ)んでいるだけ——いろいろな説(せつ)があるけれど、答(こた)えはまだ出(で)ていないんだよ。

あわのあみで、魚(さかな)をつかまえる

ザトウクジラは、頭(とう)の上(うえ)の穴(あな)からあわをはき出(だ)しながら、魚(さかな)の群(む)れのまわりをぐるぐると回(まわ)るんだ。すると、あわがまるいカーテンのようになって、魚(さかな)がその中(なか)にとじこめられてしまうよ。
そこへ下(した)から口(くち)を大(おお)きく開(あ)けて、いっきに飲(の)みこむんだ。この方法(ほうほう)をバブルネットフィーディング、日本語(にほんご)で「あわのあみ漁(りょう)」というよ。仲間(なかま)どうしで力(ちから)を合(あ)わせてやることもある、かしこい食(た)べ方(かた)なんだ。ふだん食(た)べているのは、オキアミという小(ちい)さなエビの仲間(なかま)や、ニシンのような小(ちい)さな魚(さかな)なんだよ。

冬(ふゆ)になると、日本(にほん)の海(かい)にやってくる

ザトウクジラは、季節(きせつ)によって遠(とお)くまで旅(たび)をするクジラなんだ。
夏(なつ)はオホーツク海(かい)やベーリング海(かい)のような北(きた)の冷(つめ)たい海(かい)で、たっぷりごはんを食(た)べる。そして冬(ふゆ)になると、沖縄(おきなわ)や小笠原(おがさわら)のあたたかい海(かい)までやってきて、赤(あか)ちゃんを産(う)んで育(そだ)てるんだよ。沖縄(おきなわ)には12月(がつ)ごろからやってきて、春(はる)になるとまた北(きた)の海(かい)へ帰(かえ)っていくんだ。

ザトウクジラの色(いろ)を塗(ぬ)るコツ

背中(せなか)は黒(くろ)っぽく、おなかと胸(むな)びれの内(うち)がわは白(しろ)

ザトウクジラは、背中(せなか)がこい灰色(はいいろ)や黒(くろ)、おなかが白(しろ)という体(からだ)をしているよ。だから、体(からだ)の真ん中(なか)あたりで色(いろ)を切(き)りかえると、ぐっと本物(ほんもの)らしくなるんだ。
とくに長(なが)い胸(むな)びれの内(うち)がわは、まっ白(しろ)な子(こ)が多(おお)いよ。ここを白(しろ)いまま残(のこ)すと、黒(くろ)い体(からだ)の中(なか)で胸(むな)びれだけがぱっと浮(う)かび上(うえ)がって、とてもかっこよく仕上(しあ)がるんだ。

のどのすじは、色(いろ)をこすりつけすぎない

のどからおなかにかけて、たてに長(なが)いすじがたくさんならんでいるよね。これは畝(うね)といって、ごはんを食(た)べるときにのどをふくろのように大(おお)きくふくらませるためのひだなんだ。
すじが細(こま)かいので、こい色(いろ)でごしごしぬると全部(ぜんぶ)つぶれてしまうよ。うすい色(いろ)でやさしくぬって、線(せん)が見えるように残しておこう。1本(ぽん)おきに色(いろ)を変(か)えても、おもしろい模様(もよう)になるんだ。

頭(とう)のこぶは、まわりを白(しろ)く残(のこ)す

頭(とう)と下(した)あごの丸(まる)いこぶは、中(なか)を全部(ぜんぶ)ぬりつぶさないのがコツ。丸のふちにそって細(ほそ)く色(いろ)をつけて、真ん中(なか)を白(しろ)く残(のこ)すと、ぷっくりもり上(うえ)がって見えるんだ。全部(ぜんぶ)同(おな)じ色(いろ)にせず、いくつかを白(しろ)のままにしてもいいよ。

2枚目(まいめ)は「自分(じぶん)だけの尾(お)びれ」にしてみよう

ザトウクジラの尾(お)びれの模様(もよう)は、1頭(とう)ずつぜんぶちがうんだ。だから、2枚目(まいめ)の尾(お)びれの塗(ぬ)り絵(え)は、きみの好(す)きな模様(もよう)を自由(じゆう)に描(えが)いていいんだよ。白(しろ)と黒(くろ)のもよう、しま模様(もよう)、星(ほし)の形(かたち)——世界(せかい)にひとつだけのクジラを作(つく)ってみてね。

3枚目(まいめ)は、波(なみ)をうすく、クジラをこく

3枚目(まいめ)は、海(かい)の波(なみ)の線(せん)が画面(がめん)いっぱいにならんでいるね。ここを全部(ぜんぶ)こくぬると、クジラが波(なみ)にうもれてしまうんだ。
波(なみ)はうすい水色(みずいろ)で、クジラはこい色(いろ)。こうやって濃(こ)さに差(さ)をつけると、主役(しゅやく)がはっきり浮(う)かび上(うえ)がるよ。おくの林(はやし)と岩(いわ)は、さらにうすい色(いろ)にすると、遠(とお)くにある感じが出(で)せるんだ。

ザトウクジラの豆知識(まめちしき)

尾(お)びれの模様(もよう)は、指紋(しもん)のようなもの

ザトウクジラの尾(お)びれのおなか側(がわ)の模様(もよう)と、ふちのギザギザの形(かたち)は、1頭(とう)ずつまったくちがうんだ。だから研究者(けんきゅうしゃ)は、もぐるときに高(たか)く上(うえ)がった尾(お)びれを写真(しゃしん)にとって、「この子(こ)はあのクジラだ」と見分けているよ。人間(にんげん)の指紋(しもん)と同(おな)じような使(つか)い方(かた)なんだ。
沖縄(おきなわ)の座間味(ざまみ)では、これまでに1800頭以上(とういじょう)が見分けられているよ。中(なか)でも尾(お)びれにアルファベットのZのような模様(もよう)を持(も)つクジラは、30年以上(ねんいじょう)も同(おな)じ海(かい)で確認(かくにん)されつづけている有名(ゆうめい)な1頭(とう)なんだ。

歌(うた)をうたうのは、オスだけ

ザトウクジラは歌(うた)をうたうクジラとして世界的(せかいてき)に知(し)られているよ。低(ひく)い声(こえ)や高(たか)い声(こえ)を組(く)み合(あ)わせた「ソング」を、20分(ふん)から30分(ふん)も続(つづ)けてうたうんだ。
うたうのは繁殖(はんしょく)の海(かい)にいるオスだけ。しかもおどろくことに、同(おな)じ海(かい)にいるクジラたちはみんな同(おな)じ歌(うた)をうたっていて、その歌(うた)は年(ねん)がたつにつれて少(すこ)しずつ変わっていくんだよ。まるで流行(りゅうこう)の歌(うた)が広まっていくみたいだね。

学名(がくめい)の意味(いみ)は「大(おお)きなつばさ」

ザトウクジラの学名(がくめい)はメガプテラ・ノヴァエアングリアエ。前半(ぜんはん)のメガプテラは、ギリシャ語(ご)で「大(おお)きなつばさ」という意味(いみ)なんだ。あの長(なが)い胸(むな)びれを見た人(ひと)が、つばさだと思(おも)ったんだね。
日本語(にほんご)の「座頭鯨(ざとうくじら)」は背中(せなか)の形(かたち)から、学名(がくめい)は胸(むな)びれから。同(おな)じクジラでも、国(くに)がちがうと目(め)のつけどころもちがうのがおもしろいよ。

日本(にほん)でも会(あ)えるクジラ

冬(ふゆ)から春(はる)にかけて、沖縄(おきなわ)の慶良間諸島(けらましょとう)や小笠原諸島(おがさわらしょとう)では、船(ふね)に乗(の)ってザトウクジラを見に行(い)くことができるんだ。沖縄(おきなわ)では12月(がつ)ごろから5月(がつ)ごろまで、とくに2月(がつ)から4月(がつ)がよく見られる時期(じき)だよ。運(うん)がよければ、あの大(だい)ジャンプを目(め)の前(まえ)で見られるかもしれないね。