ヘビイチゴの塗り絵

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ヘビイチゴの特徴(とくちょう)

赤(あか)い実(み)を見(み)つけたら、たぶんこれ

校庭(こうてい)のすみや、田(た)んぼのあぜ道、川原(かわら)の草(くさ)むら。歩(ある)いていると、草のあいだに小(ちい)さな赤(あか)い実(み)がころんと転(ころ)がっているように見えることがあるよ。
「イチゴだ!」と思(おも)って近(ちか)づくと、ちょっとちがう。それがヘビイチゴなんだ。
日当(ひあ)たりのよい、少(すこ)ししめった草地(くさち)が好(す)きで、地面(じめん)をはうように広(ひろ)がっているよ。

「毒(どく)がある」は、まちがい

いちばん大事(だいじ)なことから伝(つた)えるね。ヘビイチゴには毒(どく)はないんだ。
「ドクイチゴ」なんてこわい呼び名(めい)で言(い)われることもあって、「食(た)べたらあぶない」と思(おも)っている人(ひと)がとても多(おお)い。でもこれはまちがいで、じつは食(た)べても平気(へいき)なんだよ。
じゃあ、どうしてだれも食(た)べないんだろう。理由(りゆう)は毒(どく)ではなくて、おいしくないから。中身(なかみ)がスポンジみたいにスカスカで、味(あじ)がほとんどしないんだ。あれだけ真っ赤(あか)でおいしそうなのに、口(くち)に入(い)れるとがっかりする——それがヘビイチゴなんだよ。

名前(なまえ)の「ヘビ」の理由(りゆう)は、はっきりしない

「なぜヘビなの?」と思(おも)うよね。じつははっきり分(わ)かっていないんだ。有力(ゆうりょく)な説(せつ)が3つあるよ。
ひとつめは、人(ひと)が食(た)べられないから、ヘビが食(た)べるイチゴという意味(いみ)だという説(せつ)。
ふたつめは、ヘビがいそうな、じめじめした場所(ばしょ)に生(は)えるからという説(せつ)。
みっつめは、実(み)を食(た)べに来(く)る小(ちい)さな動物(どうぶつ)を、ヘビがねらっているからという説(せつ)。
どれももっともらしいけれど、決め手(て)はないんだ。むかしの人(ひと)も、この草にちょっとこわいイメージを持(も)っていたんだね。

花(はな)は黄色(きいろ)。イチゴなのに白(しろ)くない

ヘビイチゴの花(はな)は黄色(きいろ)だよ。スーパーで売(う)っているイチゴの花(はな)は白(しろ)いから、ここが大(おお)きなちがいだね。
花(はな)びらは5枚(まい)で、大(おお)きさは1.5センチほど。春(はる)から初夏(しょか)(4月(がつ)から6月(がつ))にさくよ。
花(はな)のうしろをよく見てみて。緑(みどり)のがくが星(ほし)のように広(ひろ)がっているけれど、そのさらに外側(そとがわ)にもう1組(くみ)、先(さき)が3つに切(き)れたがくが広(ひろ)がっているのが分かるかな。この二重(にじゅう)のがくが、ヘビイチゴのおもしろい特(とく)ちょうなんだ。

三つ葉(は)だけど、イチゴの葉(は)にそっくり

葉(は)は3枚(まい)で1組(くみ)。ここまではクローバーやカタバミと同(おな)じだね。でも、よく見(み)るとずいぶんちがうんだ。
ヘビイチゴの小葉(こば)は、ふちのギザギザが大(おお)きくてはっきりしているよ。菱形(ひしがた)に近(ちか)い楕円形(だえんけい)で、バラのなかまなので、イチゴの葉(は)にそっくりなんだよ。
カタバミの葉(は)はハート形(かたち)で、ふちはなめらか。ギザギザがまったくないんだ。
クローバーにも細かいギザギザはあるけれど、ずっと小(ちい)さくて目立たない。それより、クローバーの葉(は)には白(しろ)い「く」の字の模様があるのが決め手(て)だよ。ヘビイチゴの葉(は)に、その模様はないんだ。
まとめると、三つ葉(は)で、ギザギザがはっきりしていて、白(しろ)い模様がなければヘビイチゴだよ。

実(み)のつぶつぶは、ひとつひとつが「実(み)」

赤(あか)い実(み)の表面(ひょうめん)には、小(ちい)さなつぶがびっしりついているね。じつは、この赤(あか)いふくらみは実(み)ではないんだ。
ふくらんでいる赤(あか)い部分(ぶぶん)は、花(はな)のつけ根が育(そだ)ったもの。そして表面(ひょうめん)についている小(ちい)さなつぶの1つ1つが、本当(ほんとう)の実(み)なんだよ。
これはスーパーのイチゴもまったく同(おな)じしくみ。イチゴのつぶつぶも、あれが本物(ほんもの)の実(み)なんだ。ヘビイチゴを見(み)ると、イチゴのひみつまで分(わ)かってしまうんだね。

ヘビイチゴの色(いろ)を塗(ぬ)るコツ

実(み)の赤(あか)は、こく塗(ぬ)るほど本物(ほんもの)らしい

ヘビイチゴの実(み)は、びっくりするくらい真っ赤(あか)。だから、思いきってこい赤(あか)で塗(ぬ)ってしまおう。うすい赤(あか)だと、あの「草(くさ)むらでぱっと目立(めだ)つ感(かん)じ」が出(で)ないんだ。
表面(ひょうめん)のつぶつぶは、塗らずに白(しろ)いまま残(のこ)すのがコツ。赤(あか)い面(めん)の中(なか)に白(しろ)いつぶがならぶと、ぐっと本物(ほんもの)らしくなるよ。
もう少(すこ)していねいにするなら、つぶをうすい黄色(きいろ)にしてみて。ぷつぷつした感(かん)じがはっきり出(で)るんだ。

花(はな)は黄色(きいろ)。白(しろ)で塗らないように

「イチゴの花(はな)」と聞(き)くと白(しろ)を思い浮(う)かべるけれど、ヘビイチゴの花(はな)は黄色(きいろ)だよ。ここをまちがえないでね。
花(はな)びらをあざやかな黄色(きいろ)、中心(ちゅうしん)のおしべのつぶをこい黄色(きいろ)かオレンジにすると、真ん中(なか)がきゅっとしまって見えるんだ。
花(はな)のうしろの二重(にじゅう)のがくは緑(みどり)。内側(うちがわ)と外側(そとがわ)で少(すこ)し濃(こ)さを変(か)えると、二重(にじゅう)になっていることが伝わるよ。

葉(は)のギザギザを、つぶさない

ヘビイチゴを見分ける決め手(て)は、葉(は)のふちのギザギザ。ここを塗(ぬ)りつぶしてしまうと、ただの三つ葉(は)になってしまうんだ。
葉(は)はふちの線(せん)にそって、内側(うちがわ)から塗(ぬ)っていこう。ギザギザの1つ1つに色(いろ)えんぴつの先(さき)を入(い)れるつもりでていねいに。
葉(は)の中(なか)のすじも残したいから、色(いろ)はうすめの緑(みどり)から始(はじ)めて、あとから濃(こ)くするといいよ。

茎(くき)は細(ほそ)く、赤(あか)みをおびた色(いろ)で

地面(じめん)をはう茎(くき)は、緑(みどり)だけでなく赤茶色(あかちゃいろ)をおびていることが多(おお)いんだ。
茎(くき)を赤茶色(あかちゃいろ)で塗(ぬ)ると、緑(みどり)の葉(は)と赤(あか)い実(み)のあいだをつないでくれて、絵全体(えぜんたい)がまとまるよ。2枚目(まいめ)の絵(え)では、この茎(くき)が画面(がめん)を左右(さゆう)に横切(よこぎ)っているから、ここを塗(ぬ)るだけでもぐっと感(かん)じが変(か)わるんだ。

塗ったら、本物(ほんもの)をさがしに行(い)こう

塗(ぬ)り終(お)わったら、この絵(え)を持(も)って外(そと)へ出(で)てみてね。さがすのは少(すこ)ししめった草地(くさち)。田(た)んぼのあぜ道や川原(かわら)、校庭(こうてい)のすみのじめじめしたところだよ。
赤(あか)い実(み)を見(み)つけたら、葉(は)を確(たし)かめてみて。ふちのギザギザがはっきりしていて、白(しろ)い模様がなければヘビイチゴだよ。
毒(どく)はないから、さわっても平気(へいき)。でも、食(た)べてもおいしくないことは、もう知(し)っているよね。

ヘビイチゴの豆知識(まめちしき)

「ドクイチゴ」とよばれるけれど、毒(どく)はない

ヘビイチゴにはドクイチゴというこわい別名(べつめい)があるよ。でも、これはまったくの誤解(ごかい)なんだ。
ヘビイチゴは無毒(むどく)。食(た)べようと思えば食(た)べられるんだよ。ではなぜ「毒(どく)」と言(い)われるようになったんだろう。
たぶん、あんなにおいしそうな赤(あか)い実(み)なのにだれも食(た)べないから、「きっと毒(どく)があるにちがいない」と思われたんじゃないかな。実際(じっさい)は、ただ味(あじ)がしないだけ。誤解(ごかい)されつづけて、かわいそうな草なんだ。

清少納言(せいしょうなごん)も「名前(なまえ)がこわい」と書(か)いた

ヘビイチゴは、ずいぶんむかしから人(ひと)に知られていたよ。平安時代(へいあんじだい)の枕草子(まくらのそうし)には、「名(めい)おそろしきもの」——名前(なまえ)がこわいもの——のひとつとして、ヘビイチゴがあげられているんだ。
千年(せんねん)も前(まえ)の人(ひと)も、この草の名前(なまえ)を聞いて「うわっ」と思(おも)っていたんだね。実物(じつぶつ)はただの小(ちい)さな赤(あか)い実(み)なのに、名前(なまえ)だけでこわがられる。それが千年(せんねん)つづいているなんて、なんだかおかしいよね。

赤(あか)いところは、じつは実(み)ではない

赤(あか)くふくらんだ部分(ぶぶん)は、花(はな)のつけ根(花托(はなたく))がふくらんだもの。本当(ほんとう)の実(み)は、表面(ひょうめん)についている小(ちい)さなつぶ1つ1つのほうなんだ。
これはスーパーで売(う)っているイチゴもまったく同(おな)じしくみだよ。イチゴのあのつぶつぶは、種(しゅ)ではなく実(み)なんだ。
ヘビイチゴもイチゴも、同(おな)じバラのなかま。花(はな)のつくりがよく似(に)ているのは、そのためなんだよ。

薬(くすり)として使(つか)われてきた

食(た)べてもおいしくないヘビイチゴだけれど、薬(くすり)としては役(やく)に立(た)ってきたんだ。
草全体(くさぜんたい)や実(み)をかわかしたものが生薬(きぐすり)として使(つか)われたり、実(み)をお酒(さけ)につけこんだものを、虫(むし)さされやかゆみ、はれものにぬる薬(くすり)として使ったりしてきたよ。
「役(やく)に立たない草」と思われがちだけれど、むかしの人(ひと)はちゃんと使(つか)い道を見(み)つけていたんだね。