どこまでも続く広い空、雄大な山々、そして美しい海岸線。訪れる人の心を惹きつけてやまない、日本の大自然の宝庫・北海道。その壮大な風景は、アーティストたちの創造力を刺激し、大地と一体になったような、個性的で素晴らしいアートスポットを育んできました。
「広い北海道、どこに行けば子どもとアートを楽しめるの?」 そんなパパさん、ママさんのために、今回は広大な北海道の各エリアから、親子で一日中笑顔でいられるアートスポットを15ヶ所、厳選してご紹介します!
公園全体が巨大な彫刻作品になっていたり、お菓子のテーマパークで創作体験をしたり、雪の結晶の美しさにうっとりしたり。子どもたちの「楽しい!」「もっと見たい!」という気持ちが次々と湧き出してくる、最高の休日が待っています。
本物のアートにふれる体験は、子どもたちの心に豊かな色彩と形の記憶を刻みます。それは、まっさらなぬりえの紙に、心ときめく色をのせていく喜びに似ています。さあ、北海道のアートな冒険へ出かけましょう!
【札幌・道央エリア】
1. 大地がアート!公園全体が巨大な彫刻「モエレ沼公園」
世界的彫刻家イサム・ノグチが設計した、札幌を代表するアートパーク。「全体をひとつの彫刻作品とする」というコンセプトのもと、幾何学的な山や噴水、遊具などが大地にダイナミックに配置されています。
親子におすすめのポイント
ガラスのピラミッド「HIDAMARI」は、それ自体が美しい建築アート。中にはギャラリーやレストランがあり、天候を気にせず楽しめます。夏には水遊びができるモエレビーチや、ダイナミックな海の噴水、冬にはモエレ山でのソリ遊びなど、一年を通して自然とアートの中で思いっきり体を動かせます。
施設情報
- 住所: 〒007-0011 北海道札幌市東区モエレ沼公園1-1
- 公式サイト: https://moerenumapark.jp/
2. 森の中でアートと出会う「札幌芸術の森」
約40ヘクタールの広大な敷地に、美術館、野外美術館、工房などが点在する複合文化施設。豊かな自然の中で、様々なアートにふれることができます。
親子におすすめのポイント
子どもたちが走り回りながら楽しめるのが、74点の彫刻が設置された「野外美術館」。冬には「かんじき」を履いて、雪景色の中の彫刻を巡るユニークな体験もできます。陶芸や木工、版画などが体験できる工房もあり、親子で創作活動に没頭するのもおすすめです。
施設情報
- 住所: 〒005-0864 北海道札幌市南区芸術の森2-75
- 公式サイト: https://artpark.or.jp/
3. 北海道の美術の殿堂「北海道立近代美術館」
札幌市中心部にあり、アクセス抜群の北海道を代表する美術館。「北海道の美術」と、パスキンやユトリロなど「エコール・ド・パリ」のコレクションを二つの柱としています。
親子におすすめのポイント
常設展だけでなく、子どもたちにも親しみやすいテーマの特別展が開催されることも多いのが魅力。美術館の周りは知事公館などがある緑豊かなエリアで、鑑賞後に散策するのも気持ちがいいですよ。
施設情報
- 住所: 〒060-0001 北海道札幌市中央区北1条西17丁目
- 公式サイト: https://artmuseum.pref.hokkaido.lg.jp/knb/
4. 甘くて楽しいお菓子のテーマパーク「白い恋人パーク」
北海道銘菓「白い恋人」の工場見学と、お菓子作り体験ができるテーマパーク。イギリスの古城のような建物や、季節の花が咲く庭園など、まるでおとぎ話の世界に迷い込んだかのよう。
親子におすすめのポイント
自分だけの「白い恋人」が作れるお菓子作り体験は、子どもたちに大人気。プロジェクションマッピングを使った工場の見学コースや、ミニSL、ガリバータウンなど、遊びの要素も満載。見て、食べて、作って、五感で楽しめるスポットです。
施設情報
- 住所: 〒063-0052 北海道札幌市西区宮の沢2-2-11-36
- 公式サイト: https://www.shiroikoibitopark.jp/
5. 北海道の歴史と自然を探検!「北海道博物館」
アイヌ文化や、マンモスが生きていた時代から現代までの、北海道の自然・歴史・文化を楽しく学べる総合博物館。リアルなジオラマや、迫力満点の骨格標本など、見ごたえのある展示が満載です。
親子におすすめのポイント
アイヌの伝統的な衣装の美しい文様や、生き物たちの精巧な模型は、最高の“学びのアート”。体験型の展示も多く、子どもたちの知的好奇心を刺激します。広大な野幌森林公園の中にあり、博物館とあわせて自然観察を楽しむのもおすすめです。
施設情報
- 住所: 〒004-0006 北海道札幌市厚別区厚別町小野幌53-2
- 公式サイト: https://www.hm.pref.hokkaido.lg.jp/
6. 雪と氷の美しさにうっとり「雪の美術館」
雪の結晶をテーマにした、世界的にも珍しい美術館。中世ヨーロッパのお城のような美しい建物の中は、すべてが雪と氷のモチーフで統一されています。
親子におすすめのポイント
約200枚の雪の結晶の写真を展示した「スノークリスタルミュージアム」は、息をのむほどの美しさ。「氷の回廊」では、ガラス越しに本物の氷柱を見ることができ、ひんやりとした空気を体感できます。お姫様のドレスを着て記念撮影ができるプランも人気です。
施設情報
- 住所: 〒070-8028 北海道旭川市南が丘3-1-1
- 公式サイト: https://yukibi.marryblossom.com/
7. 白い彫刻と雪景色のハーモニー「アルテピアッツァ美唄」
イタリア語で「芸術広場」を意味する、美唄市出身の彫刻家・安田侃(かん)の作品を展示する野外彫刻公園。廃校になった小学校の校舎や体育館、そして広大な敷地に、大理石の彫刻がゆったりと置かれています。
親子におすすめのポイント
作品にふれたり、座ったり、寝転んだり。ここではアートを全身で感じることができます。冬、雪に覆われた真っ白な世界に彫刻が佇む姿は、ここでしか見られない幻想的な美しさ。カフェや子どもが遊べるスペースもあり、親子でのんびり過ごせます。
施設情報
- 住所: 〒072-0831 北海道美唄市落合町栄町
- 公式サイト: https://www.artepiazza.jp/
【道南・道東エリア】
8. 五稜郭のとなりでアート鑑賞「函館市美術館」
国の特別史跡「五稜郭跡」に隣接する、道南の芸術文化の拠点。函館や道南にゆかりのある作家の作品を中心に、書や東洋美術など幅広いコレクションを誇ります。
親子におすすめのポイント
アート鑑賞の後は、五稜郭公園を散策したり、五稜郭タワーからの景色を楽しんだりと、歴史と自然をあわせて満喫できるのが魅力。子ども向けのワークショップなども開催されます。
施設情報
- 住所: 〒040-0001 北海道函館市五稜郭町37-6
- 公式サイト: https://artmuseum.pref.hokkaido.lg.jp/hbj/
9. 港町の歴史を物語る「金森赤レンガ倉庫」
函館ベイエリアのシンボル。明治時代に建てられた倉庫群が、今はショッピングモールやレストラン、ホールとして活用されています。
親子におすすめのポイント
美しいレンガ造りの建物が並ぶ風景は、それ自体がアート。異国情緒あふれる港町を散策しながら、歴史的建造物の力強さや美しさにふれることができます。オルゴール作りなどが体験できるお店もあり、親子で楽しめます。
施設情報
- 住所: 〒040-0053 北海道函館市末広町14-12
- 公式サイト: https://hakodate-kanemori.com/
10. 緑の公園でアートにふれる「北海道立帯広美術館」
十勝・帯広の芸術文化の拠点。緑豊かな「帯広の森」の中にあり、十勝の風土に根ざした作家の作品や、版画、西洋美術などを収蔵しています。
親子におすすめのポイント
美術館の周りは、様々なスポーツ施設や遊歩道が整備された広大な公園。アート鑑賞とあわせて、ピクニックや森林浴、冬にはクロスカントリースキーなど、十勝の自然を思いっきり楽しめます。
施設情報
- 住所: 〒080-0846 北海道帯広市緑ヶ丘2番地
- 公式サイト: https://artmuseum.pref.hokkaido.lg.jp/obj/
11. 北方民族の“用の美”に感動「北海道立北方民族博物館」
オホーツク海に面した網走市にある、アイヌ民族をはじめ、グリーンランドのイヌイットや北欧のサーミなど、北方圏に暮らす人々の文化を紹介する博物館。
親子におすすめのポイント
厳しい自然の中で生きる知恵から生まれた、衣服や道具の数々は、機能的でありながら、驚くほど美しい文様やデザインにあふれています。その“用の美”は、まさにアート。世界の広さと文化の多様性を感じられる貴重な場所です。
施設情報
- 住所: 〒093-0042 北海道網走市字潮見309-1
- 公式サイト: https://hoppohm.org/
【小樽エリア】
12. ステンドグラスの輝きに感動「小樽芸術村」
小樽運河沿いの歴史的建造物を活用した、4つの美術館からなるアートの村。特に、旧高橋倉庫を利用した「ステンドグラス美術館」は必見です。
親子におすすめのポイント
19世紀末にイギリスの教会で実際に使われていたステンドグラスが、空間いっぱいに展示されています。教会に響き渡るパイプオルガンの演奏と共に、光と色が織りなす幻想的な世界に親子でうっとり。
施設情報
- 住所: 〒047-0031 北海道小樽市色内1-3-1
- 公式サイト: https://www.nitorihd.co.jp/otaru-art-base/
13. 歴史的建造物で学ぶお金のアート「日本銀行旧小樽支店金融資料館」
明治時代に「北のウォール街」と呼ばれた小樽を象徴する、重厚な石造りの建物。日本銀行の支店として使われていた当時の姿を今に伝えています。
親子におすすめのポイント
辰野金吾らが設計した美しい建物を探検するだけでも楽しめます。1億円の重さを体験できるコーナーや、お札の偽造防止技術の展示など、お金にまつわる面白い発見がいっぱい。入館無料なのも嬉しいポイントです。
施設情報
- 住所: 〒047-0031 北海道小樽市色内1-11-16
- 公式サイト: https://www3.boj.or.jp/otaru-m/
【その他エリア】
14. 旭川の彫刻文化にふれる「旭川市彫刻美術館」
旭川ゆかりの彫刻家・中原悌二郎(ていじろう)を記念して設立された美術館。旧旭川偕行社(かいこうしゃ)という、明治時代の美しい洋風建築を利用しています。
親子におすすめのポイント
木のぬくもりを感じる建物の中で、静かに彫刻と向き合うことができます。生命力あふれる人物像など、彫刻の持つ立体感や存在感を間近で感じる体験は、子どもたちの感性を刺激します。
施設情報
- 住所: 〒070-0875 北海道旭川市春光5条7丁目
- 公式サイト: https://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/sculpture/
15. 赤い星が目印!歴史的建造物「サッポロビール博物館」
日本のビール産業の歴史を今に伝える、国内唯一のビール博物館。開拓使時代の工場をリノベーションした、赤レンガの美しい建物は、国の北海道遺産にも認定されています。
親子におすすめのポイント
ビールの製造工程を学べるだけでなく、明治時代のポスターなど、レトロで美しいデザインの数々にふれることができます。見学後は、併設のレストランで北海道名物ジンギスカンを味わうのも楽しみの一つです。(※ビールの試飲は20歳以上)
施設情報
- 住所: 〒065-8633 北海道札幌市東区北7条東9-1-1
- 公式サイト: https://www.sapporobeer.jp/brewery/s_museum/
まとめ
親子で楽しむ北海道のおすすめ美術館15選、いかがでしたでしょうか?
大地そのものをキャンバスにした壮大なアートパークから、雪の結晶の美術館、アイヌ文化の用の美まで、北海道にはその広大な大地のように、多様で、心に残るアート体験が待っています。
アートにふれた後に、美味しい空気を吸い込んだり、美しい景色を眺めたりする時間は、親子の心に豊かな栄養を与えてくれます。次の休日はこのリストを参考に、アートと自然を満喫する旅に出かけてみませんか?きっと、家族みんなの笑顔が輝く、創造的な一日が待っていますよ。