白川郷の合掌造りの塗り絵
白川郷の合掌造りの特徴
名前は「手を合わせた形」から
白川郷は、岐阜県の山あいにある村だよ。ここには合掌造りという、変わった形の家が建っているんだ。
屋根を見てごらん。手のひらを合わせて、おがむような形をしているよね。
屋根の骨組みを、まるで手を合わせるように三角に組むことから、この名前がついたと考えられているんだ。
荻町という地区には、大小あわせて100棟あまりの合掌造りが残っていて、今も人が住んで暮らしているよ。
屋根が急なのは、雪をすべらせるため
合掌造りの屋根は、とても急な坂になっているよ。傾きは45度から60度くらいあるんだ。
白川郷は日本でもとくに雪の深い土地で、冬になると屋根に雪がどっさり積もるよ。
屋根を急にしておくと、積もった雪が自分ですべり落ちていくんだ。雪おろしの仕事がぐんと軽くなるよ。
雨の多い土地でもあるから、水はけをよくする役目もあるんだ。
屋根裏は2階、3階。カイコを飼っていた
屋根を急にすると、もう一ついいことがあるよ。屋根裏がとても広くなるんだ。
合掌造りの屋根裏は、2つ、または3つの層に分かれていて、まるで家の中にもう一軒あるみたいだよ。
むかしの白川郷では、この屋根裏でカイコを飼っていたんだ。カイコは絹の糸を出す虫だよ。
山ばかりで田んぼの少ない土地だったから、絹を売って暮らしを立てていたんだ。
塗り絵の三角の面にならぶ窓は、屋根裏に光と風を入れるための窓だよ。
釘を1本も使わず、縄でしばる
合掌造りの屋根の骨組みには、釘が1本も使われていないんだ。
太い木と木を、じょうぶな縄でぎゅっとしばって留めてあるよ。
金具でかためないぶん、大雪や強い風で家がゆれても、むすび目が少しずつ動いて力をにがすんだ。
かたく留めるより、しなやかにしたほうが長もちするんだ。むかしの人の知恵だね。
屋根の向きは、どの家も南と北
白川郷の合掌造りを上から見ると、おもしろいことに気づくよ。三角の面が、どの家もそろって南と北を向いているんだ。
理由は3つあるよ。1つめは、屋根の広い面に日がまんべんなく当たって、雪がとけ、茅がよく乾くから。
2つめは、この谷が南北に細長くて、南と北から強い風が吹くから。三角の面を風に向けると、受ける面積がいちばん小さくなるんだ。
3つめは、夏に屋根裏の窓を開けると、南北の風がすうっと吹きぬけて、カイコが暑さでまいらずにすむからだよ。
白川郷の合掌造りの色を塗るコツ
屋根はうすい茶色。線のあいだは白く残す
茅葺きの屋根は、かわいた草を束ねて葺いてあるよ。うすい茶色か、うすい黄土色でぬってみて。
屋根には短い線がたくさん入っているよね。この線まで茶色でうめてしまうと、草の感じが消えてしまうんだ。
線のすぐ横は白いまま残して、面をふんわりぬるといいよ。それだけで、ふさふさした茅らしくなるんだ。
葺きかえたばかりの屋根は黄色に近くて、古くなるほど灰色っぽくなるよ。好きなほうを選んでね。
木の壁はこい茶色、障子は白いまま
三角の面と1階の壁は、板を横に重ねた木の壁だよ。こい茶色でぬると、うすい茶色の屋根とくっきり分かれるんだ。
壁にならぶ四角い窓は障子だよ。ここは白いまま残すのがおすすめだよ。
細かい格子の中まで色を入れると、絵がごちゃごちゃしてしまうんだ。枠だけ茶色にして、中は白。それだけで障子に見えるよ。
土台の石は、1つずつ色を変える
家の足もとには、丸い石がならんでいるね。ここは全部を同じ灰色にしないでみて。
うすい灰色、こい灰色、茶色っぽい灰色を、となりどうしで変えながらぬっていくんだ。
石を1つずつ川から運んで積んだことが、色の違いで伝わるよ。
石と石のあいだの線は、ぬらずに白く残しておいてね。
雪はぬらずに白のまま。つららに水色をひとすじ
雪の絵は、雪をぬらないのがいちばんきれいだよ。紙の白がそのまま雪になるんだ。
物足りないと感じたら、雪のかげになるところだけうすい水色をすうっと入れてみて。全面ではなく、屋根のふちの下や、雪のもり上がりの右下だけでいいんだ。
軒から下がったつららは、細長い三角だね。ここも中は白いまま残して、まん中に水色を1本だけ通すと、すきとおって見えるよ。
まわりの茅葺きと木の壁を茶色でしっかりぬると、白い雪がいっそう引き立つんだ。
杉の林はこい緑、空と水は白いまま
背景のある絵では、うしろの山にとがった杉の木がならんでいるよ。ここはこい緑でぬってみて。
うしろが暗くしまると、手前の茅葺き屋根がぐっと前に出てくるんだ。
空と、手前の田んぼの水面は、線が引かれていないよね。ここは白いまま残すのが正解だよ。
全部をぬりつぶさないほうが、雪国の澄んだ空気が出るんだ。
白川郷の合掌造りの豆知識
屋根の葺きかえは、村じゅうで1日で終わらせる
茅葺きの屋根は、だいたい30年から40年に一度、まるごと葺きかえるんだ。
おどろくのはその早さだよ。大きな屋根を、原則としてたった1日で葺きかえてしまうんだ。
1日で終わらせるのは、とちゅうで雨に降られたら屋根裏までぬれてしまうから。それに、作業は春先が多くて、田畑の仕事がはじまると何日も人を集められないからなんだ。
だから屋根の上には、何十人もの人が一度に上がるよ。
「ゆい」は、助け合いの約束
そんな大仕事を支えてきたのが、ゆいとよばれる助け合いの決まりだよ。
となり近所で組をつくって、どこかの家が屋根を葺きかえるときは、村じゅうが手をかしに集まるんだ。
お金でやとうのではなく、自分の家のときに来てもらうかわりに、よその家へ行くという約束だよ。
雪で外に出られない冬をいっしょに越してきた村だからこそ、続いてきた仕組みなんだ。
世界遺産になった理由は、建物だけじゃない
白川郷は1995年に、富山県の五箇山とならんでユネスコの世界遺産に登録されたよ。
評価されたのは、めずらしい形の家そのものだけではないんだ。
そこに住む人たちが、助け合いながら家と景色を守りつづけてきた暮らしのやり方まで含めて認められたと言われているよ。
世界遺産になる前の1976年にも、国が大切な集落として守る地区に選んでいるんだ。
いちばん大きな家は、江戸時代の名主の家
荻町の合掌造りのなかで、とくに大きいのが和田家だよ。
江戸時代にこの村をまとめていた名主の家で、国の重要文化財になっているんだ。
ふつうの合掌造りより一まわり大きくて、特別なお客さんを迎えるための入り口まで付いているよ。
今も持ち主が住みながら守っていて、中を見学することもできるんだ。
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合掌造りの家
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白川郷の合掌造り
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雪の白川郷
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白川郷の集落(細密)
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