ヒメオドリコソウの塗り絵
ヒメオドリコソウの特徴
ホトケノザとならんで春の地面をうめる草
ヒメオドリコソウは、校庭のすみや畑のふち、道ばたに生える草だよ。2月から5月ごろ、小さな赤むらさきの花をたくさんさかせるんだ。
たくさん生えているところでは、地面いちめんが赤茶色っぽく見えるほど。前に紹介したホトケノザとよくいっしょに生えていて、春の地面をふたつでうめつくすんだよ。
上のほうの葉が、赤むらさきに色づく
この草のいちばんの特ちょうは、葉の色だよ。
下のほうの葉はふつうの緑なのに、上のほうの葉は赤むらさきに色づくんだ。しかも上へいくほど葉が小さくなって、間隔がつまって重なり合う。
その結果、株の上のほうが三角形のかたまりのように見えるんだ。遠くから見ると、赤茶色の小さな山がならんでいるように見えるよ。
葉の表面をよく見ると、ちりめんのようなしわがたくさん入っているんだ。葉脈にそって面がへこんでいるからなんだ。塗り絵でも、そのしわが線で描いてあるよ。
花は「踊り子」の姿から
名前の「オドリコソウ」は踊り子草と書くよ。日本にはむかしからオドリコソウという、もっと大きな草があってね。
その花がぐるりと輪になってさく姿が、笠をかぶって輪になっておどる踊り子たちに見えることから、その名前がついたんだ。
そしてこの草は、そのオドリコソウに似ていてもっと小さい。だから「姫(ちいさい、かわいい)」をつけてヒメオドリコソウとよばれるようになったんだよ。
花はくちびるの形。葉のあいだからのぞく
花は淡い赤むらさきで、長さは1センチほど。細長い筒の先が上下2枚のくちびるに分かれた、唇形花だよ。
上のくちびるはかぶとのように前へかぶさっていて、毛が生えているよ。下のくちびるは2つに割れて、こい色の斑点がついているんだ。
おもしろいのは花の見え方。ヒメオドリコソウの花は、重なった葉のあいだからちょこんとのぞくように咲くんだ。葉より高く飛び出すことはないよ。
ホトケノザとの見分け方
ホトケノザととてもよく似ているけれど、見分けるポイントは3つあるよ。
ひとつめは葉の柄。ヒメオドリコソウの葉はすべて柄があるんだ。ホトケノザの上のほうの葉は柄がなく、茎を抱いてお皿のようになっているんだ。
ふたつめは葉の色。ヒメオドリコソウは上のほうが赤むらさきに色づく。ホトケノザはずっと緑のままだよ。
みっつめは花の見え方。ヒメオドリコソウの花は葉のあいだからのぞく。ホトケノザの花はお皿の上に立ち上がるんだ。
ならんで生えていることが多いから、両方さがして見くらべてみてね。
日本に来て、まだ130年ほど
これだけどこにでもある草だけれど、もともと日本にはなかったんだ。ヨーロッパからやってきた草なんだよ。
記録では1893年(明治26年)、東京の駒場ではじめて見つかったと報告されているんだ。そこから日本中へ広がっていったんだよ。
茎はシソのなかまらしく四角い。下向きの短い毛が生えているから、指ですべらせるとざらっとするよ。
ヒメオドリコソウの色を塗るコツ
上の葉を赤むらさき、下の葉を緑に
この塗り絵でいちばん楽しいのは、葉の色を上下で変えることだよ。
下のほうの大きな葉は緑、上のほうの重なった葉は赤むらさきや赤茶色。この塗り分けをするだけで、ぐっとヒメオドリコソウらしくなるんだ。
急に色を変えるのではなく、途中の葉は緑と赤をまぜたような色にすると、自然につながるよ。
葉のしわを、消さないように塗る
葉の表面にはちりめんのようなしわが線で描いてあるね。ここを塗りつぶすと、ただの平らな葉になってしまうんだ。
コツは、しわの線とすじのあいだを、ひと区画ずつ塗ること。区画ごとに少しずつ濃さを変えると、でこぼこした感じが出るよ。
線の上をなぞらないように、線の内側から色を置いていこう。
花は淡い赤むらさき。斑点はこく
花の色は淡い赤むらさき。うすいピンクにほんの少しむらさきを足したくらいがちょうどいいよ。
下のくちびるにあるこい色の斑点は、まわりよりずっと濃く点を置こう。小さいけれど、ここがあると花が生き生きするんだ。
上のくちびるの毛は塗らずに白いまま残すと、ふわっとした感じが出るよ。
茎は緑に少し赤を重ねて
茎は緑に赤みがまじった色をしているよ。緑で塗ったあと、上からうすく赤茶を重ねてみて。
シソのなかまなので茎は四角いんだ。たての線が2本そえてあるから、その線の左右で濃さを変えると、四角い棒に見えてくるよ。
塗ったら、ホトケノザとくらべに行こう
塗り終わったら、この絵を持って外へ。2月から5月、畑のふちや道ばたをさがしてみてね。
見つけたら、近くにホトケノザもないかさがしてみて。よくとなり合って生えているんだ。
くらべるポイントは葉の柄。柄があればヒメオドリコソウ、茎を抱いてお皿になっていればホトケノザだよ。
ヒメオドリコソウの豆知識
「踊り子」は、笠をかぶって輪になる姿
名前のもとになったオドリコソウ(踊り子草)は、日本にむかしからある草で、この草よりずっと大きいんだ。
その花は、茎のまわりをぐるりと輪になってさくよ。ひとつひとつの花が、笠をかぶった人のように見えるんだ。それが輪になっておどっているようだ——というのが名前の由来なんだ。
ヒメオドリコソウは、それに似ていて小さいから「姫」がついた。本家のオドリコソウは山あいの林のふちなどに生えていて、校庭ではなかなか見られないよ。
ホトケノザとは、同じなかま
ヒメオドリコソウとホトケノザは、姿がよく似ているだけでなく、同じオドリコソウ属——とても近いなかまなんだ。だから花の形がそっくりなんだよ。
生えている場所も同じで、となり合って群れていることがとても多い。春の畑のふちで、赤茶色っぽいかたまりと、緑の皿を重ねたような草が混ざっていたら、その2種類だよ。
見分けるコツは葉の柄。これさえ覚えておけば、ひと目で分かるようになるんだ。
日本に来たのは明治26年
ヒメオドリコソウはヨーロッパ原産で、日本にはむかしからあった草ではないんだ。
記録に残っているのは1893年(明治26年)。植物学者の松村任三さんが、東京の駒場で見つけて報告したのが最初だとされているよ。
それからおよそ130年で、日本中の畑や道ばたに広がった。いまでは「春の草といえばこれ」と思うくらい当たり前の草になっているのに、じつはけっこう新しい住人なんだね。
肥えた土が好き
ヒメオドリコソウは、栄養のある、肥えた土が好きな草なんだ。だから畑のふちや、手入れされた花だんのまわりに、とくにたくさん生えるよ。
逆にいうと、この草がたくさん生えている場所は、土が豊かだということ。草を見れば土のようすが分かる——そんな読み方もできるんだよ。
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ヒメオドリコソウ
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ヒメオドリコソウの群れ
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