お米にお酒、そして美しい日本海。豊かな食と自然のイメージが強い新潟県ですが、実は世界的なアートイベント「大地の芸術祭」の舞台となるなど、ダイナミックなアートに触れられる「芸術の県」でもあることをご存知でしたか?
「アートって、子どもにはまだ退屈かな?」「美術館は静かにしなくちゃいけないから、うちの子は…」 そんな心配をしているパパさん、ママさん、新潟のアートは一味違います!
広大な里山そのものがキャンバスになったような場所で、アート作品を駆け巡ったり。まるでSF映画の世界に入り込んだかのような、光のトンネルを探検したり。新潟には、子どもたちの五感をフルに使い、心と体で思いっきり楽しめるアートスポットが溢れています。
本物のアートに触れる体験は、子どもたちの心に驚きや感動、そして「なんだろう?」という好奇心の種をまきます。それは、真っ白なぬりえの紙に、想像もしなかった色や形を描き加えていく楽しさそのもの。
今回は「ぬりえ図鑑」編集部が、新潟県に訪れたら絶対に行ってほしい、親子の思い出をカラフルに彩るアートスポットを5つ厳選してご紹介します。さあ、アートを巡る冒険の旅に出発しましょう!
目次
1. アートの遊園地!「越後妻有里山現代美術館 MonET(モネ)」(十日町市)
3年に1度開催される世界最大級の国際芸術祭「大地の芸術祭 越後妻有 アートトリエンナーレ」の拠点施設が、この「MonET(モネ)」です。美術館の名前を聞いて、静かな空間を想像するかもしれませんが、ここはまさに「アートの遊園地」!
広々とした回廊には、子どもたちが思わず駆け寄り、触って、遊べるような体験型のアート作品がたくさん設置されています。
親子におすすめのポイント
この美術館の魅力は、なんといっても全身でアートを楽しめること。床に寝転がると水面に映ったように見える不思議な作品や、音や光に反応するインタラクティブな作品など、子どもたちの好奇心をくすぐる仕掛けがいっぱいです。
中央の池に映り込む景色が美しいレアンドロ・エルリッヒの《Palimpsest: 空の池》は、絶好のフォトスポット。また、カラフルな作品の前で「どんな色が好き?」「この形、何に見える?」と親子で会話を弾ませるのも楽しい時間です。
館内にはカフェや、センスの良いお土産が揃うミュージアムショップも併設。一日中いても飽きることのない、創造力にあふれた空間です。
施設情報
- 住所: 〒948-0003 新潟県十日町市本町6-1
- 公式サイト: https://www.echigo-tsumari.jp/art/monet/
2. 感動の絶景へ!光のトンネル「清津峡渓谷トンネル」(十日町市)
日本三大峡谷の一つである「清津峡」。その雄大な景色を、安全かつアーティスティックに楽しめるのが、この「清津峡渓谷トンネル」です。全長750mのトンネル自体が、マ・ヤンソン/MADアーキテクツによるアート作品「Tunnel of Light」になっています。
薄暗いトンネルを歩いていく道のりは、まるで探検隊になった気分。壁の色が変わったり、不思議な音が聞こえたりと、子どもたちのワクワク感を高めてくれます。
親子におすすめのポイント
トンネルの終点にある「パノラマステーション」にたどり着いた瞬間、誰もが「わぁっ!」と声を上げてしまうはず。床一面に沢水が張られ「水鏡」となって、外の雄大な峡谷の景色をトンネル内に映し出す光景は、まさに圧巻の一言。
水際まで歩いていくことができ、水面に映った自分たちの姿と一緒に、幻想的な写真を撮ることができます。子どもたちは、水遊び気分できっと大はしゃぎするでしょう(お着替えがあると安心かもしれません)。
季節ごとに渓谷の景色が変わるため、いつ訪れても新しい感動が待っています。自然の美しさとアートが融合した、ここでしか味わえない唯一無二の体験をぜひ親子で。
※冬期は豪雪のため臨時休館となる場合があります。訪れる際は、公式サイトで最新情報をご確認ください。また、冬期のアクセスには必ず冬用タイヤが必要です。
施設情報
- 住所: 〒949-8433 新潟県十日町市小出癸2126-1
- 公式サイト: https://nakasato-kiyotsu.com/
3. 里山とアートの融合「まつだい『農舞台』」(十日町市)
棚田が広がる美しい里山の風景に溶け込むように存在するアート施設が、まつだい「農舞台」です。こちらも「大地の芸術祭」の主要拠点で、建物の中だけでなく、周辺のフィールド全体にアート作品が点在しています。
屋外で最も有名なのは、世界的アーティスト・草間彌生さんの《花咲ける妻有》。カラフルで巨大な花のオブジェは、青い空と緑の棚田を背景に、圧倒的な存在感を放っています。
親子におすすめのポイント
ここでは、美術館の建物から一歩外に出て、アートを探しながら里山を散策するのが醍醐味です。展望台のようになっている作品や、田んぼの中に立つユニークなオブジェなど、子どもたちは宝探し気分でアート巡りを楽しめます。
広々とした場所なので、周りを気にせずのびのびと過ごせるのも嬉しいポイント。アート鑑賞に疲れたら、芝生の上で休憩したり、かけっこをしたり。館内にある「越後まつだい里山食堂」では、地元の食材を使った美味しいビュッフェを味わうこともできます。
日本の原風景の中で、自然の心地よさとアートの刺激を同時に感じられる、心豊かな時間を過ごせる場所です。
施設情報
- 住所: 〒942-1526 新潟県十日町市松代3743-1
- 公式サイト: https://www.echigo-tsumari.jp/art/nibutai/
4. 大好きな世界に出会えるかも?「新潟県立万代島美術館」(新潟市)
新潟市のランドマーク「朱鷺メッセ」の中にある、アクセス抜群の都市型美術館です。こちらの美術館の特徴は、マンガやアニメ、絵本、デザイン、ファッションなど、子どもたちにも身近で親しみやすいテーマの企画展を数多く開催していること。
「美術館はちょっと難しそう…」と感じているお子さんの、美術館デビューにもぴったりの場所です。
親子におすすめのポイント
お出かけ前に公式サイトで現在開催中の企画展をチェックしてみましょう。もしお子さんの好きなキャラクターやアニメの展覧会が開催されていたら、それは最高の体験になるはずです。憧れの世界の原画や資料を間近で見ることで、作品への理解が深まり、「自分も描いてみたい!」という創作意欲が湧いてくるかもしれません。
また、同じ建物(朱鷺メッセ)の最上階には、地上約125mの高さを誇る「Befcoばかうけ展望室」があります。美術館でアートを楽しんだ後は、展望室から新潟市街や日本海、佐渡島までを見渡す360°の大パノラマを堪能するのもおすすめです。
施設情報
- 住所: 〒950-0078 新潟県新潟市中央区万代島5-1 朱鷺メッセ内
- 公式サイト: https://banbi.pref.niigata.lg.jp/
5. 公園でのびのびアート散歩「新潟県立近代美術館」(長岡市)
長岡市にある「新潟県立近代美術館」は、広大な「千秋が原ふるさとの森」の中に立つ、緑豊かな美術館です。国内外の近代美術を中心に、質の高いコレクションをじっくりと鑑賞することができます。
建物を取り囲むように広がる公園には、たくさんの彫刻作品が設置されており、天気の良い日にはピクニック気分でアート散歩を楽しめます。
親子におすすめのポイント
館内で日本の近代洋画や郷土ゆかりの作家の作品に触れ、本物のアートが持つ力を感じた後は、ぜひ屋外へ。広々とした芝生広場で思いっきり走り回ったり、ユニークな形の彫刻作品の前で同じポーズをとって写真を撮ったりと、体を動かしながらアートに親しめます。
同じ公園内には、新潟県の歴史や縄文文化について学べる「新潟県立歴史博物館」も隣接しています。午前中は美術館、午後は歴史博物館と、一日がかりで知的好奇心を満たす「学びの休日」を過ごすのも素敵ですね。豊かな自然の中で、心穏やかにアートと向き合える場所です。
施設情報
- 住所: 〒940-2083 新潟県長岡市千秋3-278-14
- 公式サイト: https://kinbi.pref.niigata.lg.jp/
まとめ
親子で楽しむ新潟県のおすすめ美術館5選、いかがでしたか?
大自然とアートが見事に融合した越後妻有エリアのダイナミックな施設から、都市部で気軽に楽しめる美術館まで、新潟県には子どもの感性を様々な角度から刺激してくれる、魅力的なアートスポットが満載です。
アートは決して難しいものではありません。作品を見て「なんだか面白いね」「この色、きれいだね」と親子で感じたままに言葉を交わす、その時間が何よりの宝物です。
次の休日は、豊かな自然が育んだ新潟のアートを体感しに出かけませんか?きっと、ご家族のアルバムに、色鮮やかで心躍る新しい1ページが加わりますよ。