柴犬を茶色一色で塗ると、なぜか別の犬に見える。トイプードルの毛のもこもこを、どう表現したらいいか分からない——。犬や猫のぬりえは、塗り始めると急に難しくなる題材です。
理由ははっきりしています。犬猫は種類ごとに毛色のパターンが決まっていて、しかも同じ犬種でも個体で違う。しかし、その「決まり」を知っているかどうかで、仕上がりはまるで変わります。
今回は、犬と猫のぬりえのおともにしたい図鑑を5冊紹介します。動物図鑑全般については塗り絵の参考になる動物の図鑑5選をどうぞ。
1. 犬種を広く見るなら「いちばんよくわかる 犬種図鑑 日本と世界の350種」
メイツ出版から出ている224ページの本。監修は奥田香代さん。タイトルのとおり350犬種を収録しています。
塗り絵におすすめのポイント
犬のぬりえで最初に迷うのが「この犬種の毛色は何色が正しいのか」です。柴犬なら赤、黒、胡麻、白。同じ犬種に複数の毛色があることを知ると、塗る選択肢が一気に広がります。
350種も載っていれば、たいていの犬種は見つかります。「うちで飼っている犬」を探すところから始めると、子どもの食いつきが違います。
2. 猫はこちら「いちばんよくわかる 猫種図鑑 日本と世界の60種」
同じメイツ出版のシリーズで、2022年1月刊行の176ページ。監修は長谷川諒さん、撮影は増田勝正さんです。
塗り絵におすすめのポイント
猫は犬ほど種類が多くありませんが、模様のパターンが豊富です。キジトラ、サバトラ、三毛、ハチワレ。日本の猫の呼び名は、そのまま模様の名前になっています。
模様には規則性があります。しま模様が背中からどう流れるか、顔のどこで色が変わるか。図鑑で確認してから塗ると、それらしい猫になります。
3. 子犬と成犬が見比べられる「世界の犬図鑑 人気犬種ベスト165」
新星出版社から出ている256ページの本。著者は獣医師の福山英也さんです。
塗り絵におすすめのポイント
この本の説明には「各犬種とも子犬と成犬の両方の写真を掲載」とあります。これが塗り絵に効きます。
犬は成長すると毛色が変わる犬種があります。子犬のときは黒っぽく、大人になると銀色に近づく——そんな変化を両方見られると、「どっちの色で塗る?」という選択が生まれます。子ども向けのぬりえは子犬の姿で描かれることが多いので、その点でも役立ちます。
4. 写真が大きい「まるごとわかる猫種大図鑑」
Gakken Pet Booksの1冊で、223ページ。監修は早田由貴子さんです。
塗り絵におすすめのポイント
猫の毛は、犬より光の反射が強く出ます。同じ黒猫でも、光が当たる背中は茶色っぽく、影の部分は青みがかって見える。この見え方は、大きな写真でないと分かりません。
黒猫を黒一色で塗らないための材料が、ここにあります。
5. ミックス犬に強い「もっとよくわかる 犬種図鑑 ミックス犬100種」
2023年7月刊行、144ページ。奥田香代さんの監修で、ミックス犬を100種扱っています。
塗り絵におすすめのポイント
ミックス犬は、両親の特徴が混ざるので「正解の色」がありません。これは塗り絵にとってむしろ好都合です。
「この犬とこの犬を混ぜたら、どんな色になると思う?」と聞いてみてください。想像して色を決める、という遊びができます。犬種図鑑としては珍しい切り口の1冊です。
毛並みを塗るコツ
- 毛の流れにそって塗る|ぐるぐる塗らず、短い線を毛の向きに重ねる
- 白い毛も塗る|影の部分に薄いグレーや水色を入れると立体になる
- 黒い毛は黒だけで塗らない|こげ茶や濃紺を下地にする
- 境目をぼかす|毛色が変わるところは、線ではなく少し混ぜる
とくに1番目が効きます。塗り方の向きだけで、毛が生えているように見えてきます。
図鑑と一緒に塗ってみる
- 柴犬|犬でいちばん人気
- トイプードル|もこもこの毛の練習に
- 猫(雑種)|模様を自由に決められる
- 犬のぬりえ一覧|全12種
- 猫のぬりえ一覧|全10種
- ペットのぬりえ一覧|犬猫のほかハムスター・インコ・爬虫類も
1冊だけ選ぶなら
5冊すべてを買う必要はありません。目的別に1冊で足ります。
| こんなとき | 選ぶ1冊 |
|---|---|
| 犬のぬりえが中心 | 犬種図鑑350種。まず載っていないものがない |
| 猫のぬりえが中心 | 猫種図鑑60種。模様の名前が分かる |
| 色の見え方を知りたい | まるごとわかる猫種大図鑑。写真が大きい |
| 飼っている犬を探したい | ミックス犬100種。雑種はここにしかない |
迷ったら「うちの子が載っているか」で決めてください。飼っている犬や猫、近所でよく会う犬が載っている本がいちばん開かれます。書店で1ページ探してみるだけで判断できます。
図鑑がなくてもできること
買う前に試せることもあります。犬猫は、身のまわりに実物がいる数少ない題材だからです。
- 散歩中の犬を見る|黒い犬の背中が茶色っぽく光っていることに気づけます
- 家の猫の写真を撮る|日なたと日かげで2枚。同じ猫が違う色に写ります
- 動物病院や保護施設の掲示|犬種名つきの写真が並んでいることがあります
大事なのは「同じ動物が、光によって違う色に見える」と気づくことです。これに気づいた子は、黒い犬を黒一色で塗らなくなります。図鑑はその気づきを早めてくれる道具であって、なくても始められます。