学童・放課後等デイでのぬりえ活用アイデア|学年差への対処

学童・放課後等デイでのぬりえ活用アイデア|学年差への対処

学童保育や放課後等デイサービスは、年齢も学年も、その日の気分もばらばらの子どもが同じ部屋にいます。全員が同じ活動に乗ってくれるとは限りません。

塗り絵がこの場面で使いやすいのは、一斉にやらせなくていいからです。やりたい子だけがやる、途中でやめてもいい、早く終わった子は次を取る。個々のペースで成立する数少ない活動です。

この記事では、学年差のある集団で塗り絵を使うときの工夫をまとめます。

学年差への対処|「選ばせる」が基本

小学1年生と6年生に同じ図案を配ると、どちらかが必ず退屈します。難易度の違うものを3種類ほどテーブルに広げて、自由に取ってもらうのが現実的です。

  • 低学年向け|塗る面が大きく、輪郭が太い
  • 中学年向け|細部がある。動物や乗り物など人気の題材
  • 高学年向け|模様や風景。時間をかけられるもの

高学年は「塗り絵は子どもっぽい」と敬遠しがちですが、細かい模様や曼荼羅のような図案を出すと反応が変わります。難しいものを渡されたという事実が、そのまま扱いになります。

模様・マークのぬりえや難易度別の一覧から選べます。

放課後という時間帯の特性

学校が終わったあとの子どもは、すでに集中力を使い切っています。ここでさらに集中を求める活動は続きません。

  • 1枚10〜15分で終わるものを基本にする
  • 時間で区切らない|「終わったら次」でよい
  • 途中保管の仕組み|名前入りのファイルに入れて、翌日続ける
  • やらない選択も認める|他の遊びに行っていい

3番目が効きます。続きができると分かっていると、大作にも手を出せます。1日で終わらせる前提だと、細かい図案は選ばれません。

発達に配慮が必要な場面で

放課後等デイサービスでは、感覚や集中の特性に幅があることが前提になります。塗り絵は調整の幅が大きい活動です。

様子調整のしかた
枠にこだわって進まない面の少ない図案に変える。はみ出しを指摘しない
すぐ飽きる1枚をさらに小さく印刷し、短時間で完結させる
色を決められない色数を3〜5色に絞って渡す
強い筆圧で紙が破れる厚口の紙に印刷する
特定の題材に強く反応するその題材だけを揃える。無理に広げない

色数を絞るのは特に効果があります。24色を前にすると選べない子でも、5色なら決められます。選択肢が少ないほうが進むことは珍しくありません。

塗り絵と発達の関係については発達障害と塗り絵でも扱っています。

おやつ前後の「つなぎ」に

実務的に使いやすいのが、待ち時間の埋め方としてです。

  • おやつの準備ができるまでの10分
  • お迎えを待つ時間
  • 外遊びが雨で中止になったとき
  • 宿題が終わった子から順に

準備がゼロ秒なのが強みです。印刷しておいたものを箱に入れて置いておけば、必要なときにすぐ出せます。

印刷と保管の実務

  • 白黒で十分|線画なのでカラー印刷は不要。コストを抑えられます
  • 厚めの紙に|筆圧の強い子がいる前提で
  • まとめて印刷|枚数が多いならコンビニのマルチコピー機も使えます
  • 名前を先に書く|終わってからだと誰のか分からなくなります

印刷方法はコンビニでぬりえを印刷する方法、紙の選び方は塗り絵の紙はどれがいい?にまとめました。

高学年にも届く題材

施設でのご利用については塗り絵の著作権と利用範囲をご覧ください。印刷して配ることは自由に行っていただけます。

「終わらない子」をどう扱うか

学童でぬりえを出すと、必ず時間内に終わらない子が出ます。ここの扱いを決めておかないと、毎回もめます。

おすすめは、完成を目標にしないと最初に言っておくことです。「今日はここまでね」で終われるようにしておく。名前を書かせて回収し、次回続きから、という運用にすれば、終わらないこと自体が問題になりません。

それでも「終わってない!」と怒る子がいます。多くの場合、完成させたいのではなく、途中で取り上げられたことが不満です。片づけの5分前に一声かけておくだけで、かなり減ります。

逆に、すぐ終わってしまう子への手当ても要ります。2枚目を用意しておくか、「背景を描き足していいよ」と伝えておく。やることが尽きた子が場を乱すというのが、この時間帯の実際のところです。

高学年が乗ってくる場面

4年生以上になると「ぬりえは子どもっぽい」と言い出します。ただ、やらないのではなく、やりにくいだけであることが多い。

乗ってくるのは、次のような形にしたときです。

  • 低学年に教える役|「教えてあげて」と頼むと、結局自分も塗り始めます
  • 難しい題材|細かい模様、金属、深海生物。手応えがあれば取り組みます
  • 掲示物づくり|行事の飾り。作品ではなく仕事として渡すと抵抗が下がります
  • 色の実験|「この色を作るには何を重ねる?」という課題形式

共通しているのは、「塗り絵をしよう」と言わないことです。役割や課題として渡すと、同じ紙でも受け取り方が変わります。

高学年が真剣に塗り始めると、低学年がまねをします。上の学年を先に動かすほうが、場全体が落ち着くというのは、どの現場でも同じです。