塗り絵で「ひらがな」を覚える|3か月の進め方カレンダー

塗り絵で「ひらがな」を覚える|3か月の進め方カレンダー

ひらがなを覚えさせたい。でもドリルは続かない。そもそも机に向かってくれない。——就学前の家庭でよく聞く悩みです。

ぬりえ図鑑のひらがなのぬりえは、104種になりました。「あ」から「ん」までの46文字に、「が」「ぱ」などの濁音・半濁音25文字、「きゃ」「しゅ」などの拗音33種がそろっています。これを使って、勉強にせずに文字と親しむ方法を紹介します。1日5分、3か月が目安です。

1枚に「絵・大きな文字・なぞり書き」が入っている

新しいひらがなのぬりえは、1枚の中で3つのことができます。

場所中身すること
左その文字で始まるものの絵(「あ」ならアリ)好きな色で塗る
右上ふちどりの大きな文字と、ことば文字を塗る。書き順を見る
右下中心線の入ったます8つうすい文字を鉛筆でなぞる

大きな文字には、書き順の番号と矢印が入っています。1画目は赤、2画目は青というように、何画目かで色が決まっていて、どの文字でも同じです。番号は文字の外に、矢印は書きはじめの位置にあります。

文字は、学校で習う形に近い教科書体です。「き」や「さ」のように書体で形が変わる文字も、教科書と同じ形で覚えられます。

「あ」から「ご」までの51文字には、その文字で始まることばの絵を集めたぬりえがもう1枚ついています。ことばを増やしたいときは、こちらも使えます。

「書く」の前に「塗る」を挟む理由

文字を書くという行為は、実は2つのことを同時にやっています。形を思い出すことと、線を引くこと。どちらも難しいのに、同時にやらせるからつまずきます。

塗り絵なら、形はすでに紙にあります。輪郭にそって手を動かすうちに、その文字の形が手の記憶になります。「あ」は横線と縦線があって、右下がくるっと回る。塗っているだけで、その構造が入ります。

1枚を3回に分けて使う

1枚に3つ入っているからといって、1日で全部やらせないでください。5分で終わらない量は、次の日に手が伸びなくなります。

回することねらい
1回目左の絵を塗る「あ」は「あり」の「あ」だと、音と結びつける
2回目大きな文字を塗る形を目と手で覚える
3回目ますの文字をなぞる線を引く練習。書く準備

3回目は、やらなくても構いません。鉛筆を持つのがまだ難しい年齢なら、絵と文字を塗るだけで十分です。子どものほうから「ここもやりたい」と言い出してからで間に合います。

なぞるときは、ますの十字の線が目安になります。「この線より右から始まるね」と位置を言葉にしてあげると、形がととのいやすくなります。8つ全部を埋める必要もありません。2つか3つ、ていねいにが続きます。

書き順は、教えずに見せる

書き順の番号は、覚えさせるためのものではありません。塗る前に、大人が矢印を指でなぞって「ここから、こっち」と見せるだけで十分です。

色が決まっているので、何枚か塗るうちに、子どものほうが「赤からだね」と気づきます。気づくのを待つほうが、教えこむより残ります。書き順を間違えても、この段階では直さなくて構いません。

3か月カレンダー

時期やること1日の量
1か月目自分の名前の文字だけ1枚の3分の1
2か月目家族の名前+好きなものの文字1枚の3分の1〜半分
3か月目残りの文字を埋める1枚

50音順にやらないこと。「あいうえお」から始めると、自分に関係のない文字が続いて飽きます。名前から入れば、最初の1枚から意味があります。

名前に「だいき」の「だ」や「しょうた」の「しょ」が入っていても、104種の中にあります。濁音や拗音の入った名前でも、文字が足りなくなることはありません。

つまずきやすい文字には順番がある

ひらがな46文字は、難しさが同じではありません。順番を知っておくと、進まない時期に慌てずに済みます。

難しさ文字理由
やさしいし・つ・く・へ・こ線が1〜2本。向きの変化が少ない
ふつうか・い・た・に・り2〜4画。形が分かれている
むずかしいあ・ぬ・ね・れ・む・を結びや曲線が入る。書き順も迷う

「あ」から始めるのが自然に思えますが、「あ」は難しい部類です。最初の1文字でつまずくと、そこで止まります。名前にこだわらないなら、「し」や「つ」から始めるほうが進みます。どちらも1画で、矢印も1本です。

濁音・拗音は、もとの文字のあとで

「が」は「か」に点が2つ、「ぱ」は「は」に丸が1つ。もとの文字が入っていれば、足すのは点か丸だけです。清音をひととおり塗ってから進むと、ほとんど手間がかかりません。

拗音は、「き」と小さい「ゃ」の2文字で1つの音になります。ますも2文字1組で、小さい文字はますの左下に寄せて書く形になっています。「小さい『や』は、すみっこに座るんだよ」くらいの言い方で十分です。拗音のぬりえには、書き順の番号は入れていません。2文字ぶん並ぶと、かえって見づらくなるためです。

続けるための工夫

好きなぬりえとセットにする

ひらがな1枚と、好きなジャンル1枚。セットで渡すと、文字だけ嫌がるということが減ります。「く」と一緒に電車のぬりえ、というふうに。

塗った文字を貼る

塗り終えた紙を壁に貼っていきます。増えていくのが目に見えると、続ける動機になります。名前の文字がそろったら、並べて貼ると自分の名前になります。

読んであげる

塗り終わったら「これは『あ』。ありの『あ』だね」と声に出す。形と音を結びつけるのは大人の役目です。ここだけは手を貸してください。

やってはいけないこと

  • はみ出しを直す|文字の形を覚えるのが目的。きれいさは関係ない
  • ますを全部埋めさせる|なぞり書きは2〜3つでよい。残りは別の日に
  • 毎日やらせる|週3〜4回で十分。やらない日があってよい
  • ほかの子と比べる|文字を覚える時期には大きな個人差がある
  • テストする|「これ読める?」を繰り返すと嫌になる

最後が特に大事です。確認したくなる気持ちは分かりますが、塗り絵の時間をテストの時間にしないでください。読めるようになったら、子どもは自分から言います。

進んでいるかを、どう確かめるか

3か月続けても、変化は分かりにくいものです。おすすめは、塗った紙をとっておいて並べることです。日付を書いておけば、それだけで記録になります。

  • 線からのはみ出しが減っているか|手先の発達がそのまま出ます
  • なぞった線が、うすい文字からずれなくなってきたか|鉛筆を動かす力がついています
  • 文字を指さして言えるか|読めるようになったかどうかは、これで分かります

まったく答えられない時期もあります。そこで焦って毎日やらせると、たいてい嫌いになります。3か月で終わらなくても、半年かかっても構いません。

ひらがなの次は

ひらがながひととおり済んだら、同じつくりのカタカナのぬりえがあります。こちらも104種で、書き順の番号と矢印、なぞり書きのますが同じ位置に入っています。紙の見た目が同じなので、子どもは使い方を説明されなくても始められます。

年齢に応じた進め方は年齢別の塗り絵の選び方にまとめています。

使うぬりえ