「塗り絵って、なんだかいつも同じような仕上がりになっちゃう…」 「もっとリアルに、ツヤツヤキラキラした感じを出したい!」
そう感じたことはありませんか?
塗り絵は、ただ色を塗るだけでも楽しいものですが、ちょっとしたコツを覚えるだけで、まるでプロが描いたような、生き生きとした作品に生まれ変わります。その一つの秘訣が、「光沢(こうたく)」の表現です。
宝石やガラス、金属、水滴など、世の中には光を反射して輝くものがたくさんあります。これらの「ツヤツヤ」「キラキラ」した質感を塗り絵で表現できるようになると、作品のリアリティがぐんと増し、見る人をハッとさせるような魅力が生まれます。
この記事では、お子さんでも楽しく挑戦できる簡単な方法から、上級者向けのテクニックまで、光沢の塗り方を分かりやすくご紹介します。親子で一緒に、魔法のような光沢の世界を体験してみませんか?
目次
光沢を塗るってどういうこと?基本の考え方を知ろう
「光沢を塗る」と聞くと、なんだか難しそうに感じるかもしれませんね。でも、実はとてもシンプルな考え方なんです。
光沢とは、「光が当たって反射している部分」のこと。
鏡や窓ガラスを想像してみてください。光が当たっている部分は眩しく、ピカッと白く光って見えますよね。そして、その光から少し離れた部分は、色が濃く見えます。
つまり、塗り絵で光沢を表現するには、この「光が当たっている部分」と「影になっている部分」を意識して塗り分けることが大切なのです。
基本的な考え方は、以下の3つの要素で成り立っています。
- ハイライト(光の一番強い部分):白や一番明るい色で塗ります。
- 中間色(そのものの色):ハイライトと影の中間の色。
- シャドウ(影になっている部分):一番濃い色で塗ります。
この3つのグラデーションを意識するだけで、平面的だった絵が立体的になり、光沢感が生まれます。
光沢には大きく分けて「ツヤツヤとした光沢(面で反射)」と「キラキラとした光沢(点で反射)」があります。
- ツヤツヤとした光沢:ガラス、りんご、風船、車のボディなど
- キラキラとした光沢:宝石、グリッター、雪、星など
それぞれの表現方法について、具体的な塗り方をみていきましょう。
ツヤツヤ光沢の塗り方:りんごをピカピカにしてみよう!
まずは、身近なものでツヤツヤ光沢の練習をしてみましょう。まるで本物のりんごのように、ツヤツヤに仕上げる塗り方をご紹介します。
【準備するもの】
- 赤色鉛筆
- 白色鉛筆(または白いマーカー)
- 消しゴム
【塗り方のステップ】
ステップ1:どこに光が当たるか考える 塗り絵のりんごをよく見て、どこから光が当たっているかを想像してみましょう。例えば、左上から光が当たっているとします。その部分が「ハイライト」になる場所です。ハイライトの部分は、白く塗らずに残しておきましょう。
ステップ2:中間色を塗る りんごの全体を、赤色鉛筆で薄く塗り始めます。先ほど決めたハイライトの部分は避けて塗るのがポイントです。少しずつ色を重ねて、塗りムラがないように丁寧に塗っていきましょう。
ステップ3:シャドウを塗る りんごの右下など、光が当たっていない部分に、少しだけ力を入れて赤色鉛筆を重ねて濃く塗ります。こうすることで、りんごに丸みが出て立体感が増します。
ステップ4:ハイライトを表現する ここが一番のポイントです!白い消しゴムを小さく切って角を作り、ハイライトの部分を軽くこすって、白くぼかします。こうすることで、柔らかい光の反射を表現できます。もっとはっきりとした光沢を出したい場合は、白色鉛筆や白いマーカーで、ピカッとした線を書き足してみましょう。

【応用編】
- 丸みを出すには?
- りんごの中心部を少し明るく、外側に行くにつれて濃く塗ると、より丸く見えます。
- 光の反射を増やすには?
- 白い鉛筆で、ハイライトの周りをぼかすように塗ると、光がじんわりと広がっているように見えます。
キラキラ光沢の塗り方:宝石をダイヤモンドのように輝かせる!
次に、キラキラとした光沢の塗り方です。光を点で反射する宝石などをイメージして塗ってみましょう。まるで本物の宝石箱を開けたかのような、キラキラした輝きを表現できます。
【準備するもの】
- 色鉛筆(複数の色)
- 白色鉛筆(または白いゲルペン)
- 鉛筆削り
【塗り方のステップ】
ステップ1:宝石の色を決める 宝石の色を決めましょう。ルビーなら赤、サファイアなら青、エメラルドなら緑など、好きな色を選んでください。
ステップ2:濃淡を意識して塗る 宝石は、カット面によって光の当たり方が変わります。まずは、宝石のそれぞれの面に、濃い色と薄い色を塗り分けます。濃い色は影、薄い色は光が当たっている部分です。 例えば、青い宝石なら、薄い水色から濃い青、そしてさらに濃い紺色まで、3〜4色くらいのグラデーションで塗り分けてみましょう。
ステップ3:ハイライトを入れる ここがキラキラのポイント!白色鉛筆や白いゲルペンを使って、宝石の角や、光が強く当たっている部分に、**「点」や「短い線」**を入れます。これが、宝石がキラッと光る瞬間を表現するハイライトになります。 「ハイライト」を鋭角な線や、小さな点として入れると、まるでダイヤモンドが光を反射しているかのような、硬質でシャープな輝きが生まれます。

【応用編】
- 七色に輝く宝石にするには?
- ハイライトの周りに、薄く黄色やピンク、水色などの色を少しだけ重ねてみましょう。光が分散して、虹色に輝いているように見えます。
- 透明感を出すには?
- 宝石の輪郭を少しだけ濃く塗ったり、背景を暗くしたりすると、宝石が浮き上がって見え、透明感が増します。
もっと表現の幅を広げよう!特別な画材も活用してみよう
ここまで、色鉛筆を使った光沢の塗り方をご紹介しましたが、もっと手軽に、そして豪華に光沢を表現できる画材もたくさんあります。
1. グリッターペン・ラメ入りペン キラキラの輝きを表現するのに最適なのが、グリッターペンやラメ入りのペンです。塗るだけでキラキラとした質感が加わり、特別なテクニックがなくても宝石や星、ドレスなどを豪華に仕上げることができます。
2. パステル・クレヨン クレヨンやパステルは、色鉛筆とは違った柔らかな光沢を表現するのに向いています。りんごのツヤツヤした質感や、風船のふくらみを表現するのにぴったりです。指でこすってぼかすと、滑らかなグラデーションが簡単に作れます。
3. 透明の絵の具やマニキュア 水滴やガラス玉を表現したい場合は、透明な絵の具や、少しだけ光沢のあるマニキュアを薄く塗る方法もあります。乾くまでに時間がかかりますが、本物そっくりの質感を楽しむことができます。
まとめ:光沢をマスターして、塗り絵をもっと楽しもう!
光沢の塗り方は、塗り絵に命を吹き込む魔法のようなテクニックです。
- ツヤツヤ光沢:ハイライト、中間色、シャドウのグラデーションを意識する
- キラキラ光沢:白い点や短い線で光を表現する
この2つの基本を覚えるだけで、今までとは全く違う、立体感のある塗り絵が完成します。
最初は「どこに光を塗ればいいんだろう?」と迷うかもしれません。そんな時は、身の回りにあるツヤツヤしたものやキラキラしたものを観察してみてください。お母さんの指輪、お父さんの車のボディ、お風呂の鏡に付いた水滴…。
「あっ、ここに光が当たってる!」
そう気づくことが、塗り絵を上達させる一番の近道です。
さあ、色鉛筆を握って、新しい塗り絵の世界へ飛び出してみませんか?お子さんと一緒に、ピカピカ、キラキラの作品をたくさん作って、お部屋に飾ってみてくださいね。