エノコログサ(ねこじゃらし)の塗り絵
エノコログサ(ねこじゃらし)の特徴
校庭のすみで、風にゆれている草
エノコログサは、校庭のすみや通学路、公園の空き地でいちばんよく見かける草のひとつだよ。夏から秋にかけて、ふわふわした穂を立ち上げて、風にゆらゆらとゆれているんだ。
「ねこじゃらし」という呼び名なら知っているかな。あの草の本当の名前が、エノコログサなんだよ。
名前は「犬っころ」からきている
エノコログサを漢字で書くと狗尾草。「狗」は犬のことだから、「犬のしっぽの草」という意味なんだ。
ふさふさした穂が、犬のしっぽにそっくりだよね。むかしの人はこれを見て「犬っころ草」とよんだ。それが少しずつなまって、エノコログサになったと言われているんだよ。
いっぽう「ねこじゃらし」のほうは、ネコをじゃらすことからついた別名なんだ。穂をネコの目の前でゆらすと、ネコが夢中でとびついてくるからね。ひとつの草に、犬の名前とネコの名前がついているなんて、ちょっとおもしろいよね。
穂のふわふわの正体
穂をさわってみると、やわらかくてふわふわしているよね。でも、よく見ると、ふわふわの正体は細い毛なんだ。
穂は円柱の形をしていて、その中に小さなつぶがびっしりならんでいるんだ。このつぶ1つ1つが花で、あとでタネになるんだよ。そして、つぶのつけ根からかたい毛がたくさん飛び出していて、これが穂の全体をおおっているんだよ。だからブラシみたいに見えるんだ。
塗り絵をよく見てみて。穂の中につぶが1つずつ描いてあって、そのまわりから毛が外へ飛び出しているのが分かるかな。
穂の長さは3センチから7センチ
穂の長さは3センチから7センチくらい。草のせたけは、小さいもので20センチから30センチ、大きく育つと60センチをこえるものもあるよ。
花がさくのは夏から秋。日当たりのよい空き地や畑のふち、道ばたなど、土がむき出しになっている場所が大好きなんだ。だから校庭のすみや、花だんのふちでよく見つかるんだよ。
じつは、アワのご先祖さま
おどろく話をひとつ。エノコログサは、アワという作物の原種——つまりご先祖さまだと考えられているんだ。
アワは、むかしの日本で米と同じくらい大切に食べられていた穀物だよ。「あわ」と聞いてピンとこなくても、鳥のエサやおもちで見たことがあるかもしれないね。
人がアワを育てるようになったのは、もとをたどればこのエノコログサから。校庭のすみでゆれている草が、じつは人の食べものの始まりにつながっているんだ。
タネは食べることもできる
アワのご先祖さまというだけあって、エノコログサのタネは食べることができるんだ。穂から実をはずして、外側のからをとりのぞけば食べられるよ。
ただし、つぶがとても小さいので、おなかいっぱいになるほど集めるのはたいへんなんだ。むかしの人が、もっとつぶの大きなものを選んで育てつづけた結果が、いまのアワなんだね。
エノコログサ(ねこじゃらし)の色を塗るコツ
穂は、毛と本体で色を分ける
この塗り絵のいちばんの見どころは穂。中のつぶと、まわりの毛をべつの色にすると、ふわふわ感が出るよ。
おすすめは、中のつぶを黄みどりや黄土色、まわりの毛をうすい黄色やクリーム色にする塗り方。毛をぬらずに白いまま残すのも、とてもきれいなんだ。
毛の1本1本をなぞる必要はないよ。毛のかたまりをふわっとなでるように色を置くのがコツなんだ。
秋の穂は、茶色や赤むらさきに
エノコログサの穂は、若いうちはみどり色。でも秋がふかまるにつれて、茶色や赤むらさきに色づいていくんだ。
だから、手前の穂はみどり、奥の穂は茶色というふうに塗り分けると、季節がうつっていく感じが出せるよ。同じ絵の中に、みどり・黄・茶・赤むらさきを混ぜても、ちゃんと本物らしく見えるんだ。
葉は、中のすじを残して塗る
細長い葉のまん中には、すじが1本通っているね。ここを消さないように、すじの左右で少し濃さを変えて塗ってみて。
葉がねじれている部分は、表と裏で色を変えるのがコツ。表を濃いみどり、裏を明るい黄みどりにすると、くるっとねじれている感じが出るんだ。
2枚目は、遠くをうすく
2枚目は原っぱいちめんの絵だね。全部を同じ濃さで塗ると、のっぺりしてしまうんだ。
手前の穂をはっきり濃く、奥の穂をうすく。これだけで、ぐっと奥ゆきが出るよ。上のほうの空いているところは、白いまま残すか、うすい水色を置くと、夕方の原っぱみたいになるんだ。
塗ったら、本物をさわりに行こう
塗り終わったら、この絵を持って校庭のすみへ行ってみてね。土がむき出しになっている場所をさがすと見つかりやすいよ。
穂を1本だけとって、手のひらにのせて、そっとにぎってひらいてみて。毛のおかげで、穂がじりじりと前に進むんだ。絵に描いたあの毛が、本当にはたらいているのが分かるよ。
エノコログサ(ねこじゃらし)の豆知識
犬の名前とネコの名前を持つ草
エノコログサは、ふたつの動物の名前を持っている、めずらしい草なんだ。
正式な名前のエノコログサ(狗尾草)は、穂が犬のしっぽに似ていることから。「犬っころ草」がなまってできた名前だよ。
いっぽう別名のねこじゃらしは、穂をゆらすとネコがじゃれつくことから。同じ草なのに、見る人によって犬に見えたりネコの遊び道具になったり。名前のつけられ方って、おもしろいね。
アワのご先祖さまだった
エノコログサは、アワの原種だと考えられているよ。アワは、むかしの日本で米と同じくらい大事に食べられていた穀物なんだ。
しかもエノコログサとアワは、いまでもかんたんに交ざり合うくらい近い仲間なんだよ。畑のそばのエノコログサをよく見ると、アワと交ざったような、太い穂のものが見つかることもあるんだ。
毛には、ちゃんと役目がある
穂から飛び出しているかたい毛。じゃまなだけに見えるけれど、これには役目があるんだ。
毛があることで、タネが動物の毛や服にひっかかって、遠くまで運ばれる。おまけに、まだ実っていないタネを鳥や虫から守るはたらきもあると考えられているよ。
手のひらでにぎってひらくと穂が前に進むのも、この毛が一方向にはえているからなんだ。
縄文時代から日本にいる
エノコログサはもともとユーラシア大陸の草で、農耕がつたわるのといっしょに日本へやってきたと言われているよ。ずいぶん古い時代からの、おつきあいなんだね。
いまでは北海道から沖縄まで、日本中どこでも見られるよ。何千年ものあいだ、人の暮らしのすぐそばで、ずっと風にゆれつづけてきた草なんだ。
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エノコログサ
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エノコログサの原っぱ
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