ヨモギの塗り絵

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ヨモギの特徴(とくちょう)

草(くさ)もちの、あのみどり色(しょく)の正体(しょうたい)

草(くさ)もちや草だんごの、きれいなみどり色(しょく)。あれは何(なん)でできているか知(し)っているかな。ヨモギという草の葉(は)なんだ。
ヨモギは、校庭(こうてい)のすみや道(みち)ばた、土手(どて)など、日当(ひあ)たりのよいところにかたまって生(は)えているごくふつうの草だよ。草丈(くさたけ)は50センチから100センチくらいまで大(おお)きくなるんだ。
毎年(まいとし)みんなが食(た)べているあの色(しょく)と香(かお)りが、こんなに身近(みじか)な草からきているなんて、ちょっとおどろきだよね。

キクの葉(は)によく似(に)た、深(ふか)い切(き)れこみ

ヨモギを見(み)分(わ)けるいちばんのポイントは葉(は)の形(かたち)だよ。
1枚(まい)の葉(は)が、羽(はね)のように左右(さゆう)へ深く切れこんでいるんだ。キクの葉(は)によく似(に)ているね。それもそのはず、ヨモギはキクのなかまなんだよ。
葉(は)の大(おお)きさは、はば4センチ、長(なが)さ8センチくらい。塗(ぬ)り絵(え)をよく見(み)てみて。左右(さゆう)に3つから5つのふさに分かれていて、そのふさの先(さき)がとがっているのが分かるかな。

葉(は)のうらは、まっ白(しろ)

ここが大事(だいじ)なところ。ヨモギの葉(は)を1枚(まい)とって、ひっくり返(かえ)してみてね。
おもては緑(みどり)なのに、うらはまっ白(しろ)なんだ。びっしり生(は)えた白(しろ)い綿毛(わたげ)のせいだよ。さわるとふわふわしていて、ビロードみたいな手(て)ざわりがするんだ。
表(ひょう)と裏(うら)でこんなに色(しょく)がちがう草は、そう多(おお)くない。「葉(は)のうらが白(しら)ければヨモギ」——これがいちばんかんたんな見分け方(かた)なんだよ。

この白(しろ)い毛(け)が、お灸(きゅう)の「もぐさ」になる

おどろくのはここから。この葉(は)のうらの白(しろ)い毛(け)だけを集(あつ)めたものが、お灸(きゅう)に使(つか)うもぐさなんだ。
作(つく)り方(かた)は、葉(は)をよく日(ひ)に干(ほ)して、うすでついて、ふるいにかける。すると、葉(は)の身(み)はくだけて落(お)ちて、ふわふわした白(しろ)い毛(け)だけが残(のこ)るんだ。それをちぎって火(ひ)をつけるんだよ。
だからヨモギにはヤイトグサという別名(べつめい)もあるんだ。「やいと」はお灸(きゅう)のこと。あの小(ちい)さな綿毛(わたげ)が、何百年(なんびゃくねん)も人(ひと)の体(からだ)を温(あたた)めてきたんだね。

名前(なまえ)の由来(ゆらい)は、3つの説(せつ)がある

「ヨモギ」という名前(なまえ)がどこからきたのかは、じつははっきり分かっていないんだ。有力(ゆうりょく)な説(せつ)が3つあるよ。
ひとつめは四方草(しほうそう)。四方八方(しほうはっぽう)へどんどん広(ひろ)がって生(は)えるから。
ふたつめは善萌草(ぜんもえそう)。春(はる)になると、いちはやくよく芽(め)を出(だ)すから。
みっつめは善燃草(ぜんねんそう)。かわかすとよく燃(も)えるから。
どれもヨモギらしい特(とく)ちょうだよね。ちなみに、春(はる)の若芽(わかめ)をもちに入(い)れることからモチグサ(餅草(もちぐさ))ともよばれるんだ。

つむのは春(はる)、食(た)べるのも春(はる)

草(くさ)もちに使(つか)うのは、早春(そうしゅん)につんだ新芽(しんめ)だよ。まだやわらかい先(さき)っぽの部分(ぶぶん)をつんで、ゆでてから、もちにねりこむんだ。
天(てん)ぷらにするなら、初夏(しょか)(6月(がつ)ごろ)までのやわらかい茎先(くきさき)が使えるよ。
夏(なつ)から秋(あき)(8月(がつ)から10月(がつ))になると花(はな)がさくけれど、ヨモギの花(はな)はとても地味(じみ)なんだ。塗(ぬ)り絵(え)の上(うえ)のほうにある小(ちい)さなつぶつぶが、そのつぼみだよ。花(はな)びららしい花(はな)びらはなくて、言(い)われないと花(はな)だと気(き)づかないくらいなんだ。

ヨモギの色(いろ)を塗(ぬ)るコツ

おもては緑(みどり)、うらは白(しろ)でぬり分(わ)ける

ヨモギの塗(ぬ)り絵(え)でいちばん楽(たの)しいのは、葉(は)の表(ひょう)と裏(うら)をぬり分(わ)けることだよ。
本物(ほんもの)は、おもてが緑(みどり)、うらがまっ白(しろ)。だから、めくれて裏(うら)が見(み)えている葉(は)を1枚(まい)か2枚(まい)えらんで、そこだけぬらずに白(しろ)いまま残してみて。
それだけで「あ、この葉(は)はうらを向(む)いているんだ」と分かる絵(え)になるんだ。全部(ぜんぶ)を緑(みどり)でぬるより、ずっとヨモギらしくなるよ。

切(き)れこみの奥(おく)まで、色(しょく)を入(い)れる

ヨモギの葉(は)は深く切れこんでいるから、ふさとふさのあいだにすきまがたくさんあるね。
ここを白(しろ)いまま残(のこ)すと、葉(は)がバラバラに見(み)えてしまうんだ。ふさを1つずつ、先(さき)までていねいにぬっていこう。細(ほそ)いところは、色(しょく)えんぴつの先(さき)をとがらせるといいよ。
すきま(切れこんだ部分(ぶぶん))は白(しろ)いままでだいじょうぶ。そこが白(しろ)いから、葉(は)の形(かたち)がはっきり見(み)えるんだ。

緑(みどり)は3色(しょく)を使(つか)い分(わ)ける

ヨモギの葉(は)は、少(すこ)し白(しろ)っぽさのある緑(みどり)をしているよ。まっさおな緑(みどり)よりも、やわらかい黄(き)みどりのほうが本物(ほんもの)に近(ちか)いんだ。
手前(てまえ)の大(おお)きな葉(は)をこい緑(みどり)、中(なか)ほどを黄(き)みどり、奥(おく)の小(ちい)さな葉(は)をうすい黄緑(きみどり)。この3段階(だんかい)でぬると、こんもりした株(かぶ)の奥(おく)ゆきが出(で)るよ。

茎(くき)は赤(あか)みをおびた色(しょく)で

ヨモギの茎(くき)は、緑(みどり)だけでなく赤茶色(あかちゃいろ)をおびていることが多(おお)いんだ。
茎(くき)を赤茶(あかちゃ)や、うすい茶色(ちゃいろ)でぬってみて。葉(は)の黄(き)みどりとならぶと、ぐっとしまって見(み)えるよ。茎(くき)のたてのすじにそって色(しょく)をのばすと、まっすぐ立(た)っている感(かん)じが出(で)るんだ。

ぬったら、葉(は)のうらをめくりに行(い)こう

ぬり終(お)わったら、この絵(え)を持(も)って校庭(こうてい)のすみや土手(どて)へ行(い)ってみてね。キクの葉(は)に似(に)た、深く切れこんだ葉(は)をさがすんだ。
見(み)つけたら、1枚(まい)とってひっくり返(かえ)してみて。うらがまっ白(しろ)なら、それがヨモギだよ。ついでに、指(ゆび)でこすってにおいをかいでみて。草(くさ)もちのあの香(かお)りがするはずだよ。

ヨモギの豆知識(まめちしき)

お灸(きゅう)のもぐさは、葉(は)のうらの毛(け)だけでできている

お灸(きゅう)に使(つか)うもぐさは、ヨモギから作られるよ。しかも使(つか)うのは、葉(は)ぜんぶではなく、うら側(がわ)の白(しろ)い綿毛(わたげ)だけなんだ。
かわかした葉(は)をうすでつき、ふるいにかけると、葉(は)の身(み)はくだけて落(お)ちて、ふわふわの毛(け)だけが残(のこ)るんだよ。それを綿(わた)のようにまとめたものが、もぐさなんだよ。
1グラムのもぐさを作るのに、たくさんの葉(は)が必要(ひつよう)になるんだ。だからヨモギにはヤイトグサという別名(べつめい)もあるんだ。「やいと」はお灸(きゅう)のことだよ。

名前(なまえ)の由来(ゆらい)は、いまも決着(けっちゃく)していない

ヨモギの語源(ごげん)には、有力(ゆうりょく)な説(せつ)が3つあって、どれが正(ただ)しいかは決(き)まっていないんだ。
四方草(しほうそう)——四方八方(しほうはっぽう)に広(ひろ)がって生(は)えるから。善萌草(ぜんもえそう)——春(はる)によく芽(め)を出(だ)すから。善燃草(ぜんねんそう)——よく燃(も)えるから。
おもしろいのは、どの説(せつ)もヨモギの本当(ほんとう)の特(とく)ちょうを言い当(あ)てていること。よく広がるのも、早(はや)く芽吹(めぶ)くのも、よく燃(も)えるのも、ぜんぶ本当(ほんとう)なんだ。だから決着(けっちゃく)がつかないのかもしれないね。

むかしの草(くさ)もちは、ヨモギではなかった

いまの草(くさ)もちは、ほとんどがヨモギで作られているよ。でもむかしは、ちがう草を使っていたんだ。
使われていたのはハハコグサ(母子草(ははこぐさ))。春(はる)の七草(ななくさ)の「ゴギョウ」といえば分かるかな。あの草を入(い)れてついたのが、もともとの草(くさ)もちだったんだよ。
それがいつのまにかヨモギに変(か)わって、いまのみどり色(しょく)の草(くさ)もちになったんだ。

香(かお)りのもとは「シネオール」

ヨモギの葉(は)をこすると、すっとした独特(どくとく)の香(かお)りがするよね。この香(かお)りのおもな成分(せいぶん)はシネオールというものなんだ。
ヨモギは艾葉(がいよう)という名前(なまえ)の生薬(きぐすり)にもなっていて、漢方(かんぽう)では血(ち)を止(と)めたり、痛(いた)みをやわらげたりするのに使われてきたよ。
食(た)べてよし、香ってよし、お灸(きゅう)によし。校庭(こうてい)のすみの草が、これだけたくさんの役目(やくめ)を持(も)っているのはめずらしいことなんだ。