「お日さまは黄色、葉っぱは緑色」というように、塗り絵には「正しい色」があると思っていませんか?
しかし、もしお子さまが青い空をピンクに塗ったり、真っ赤なリンゴを水色に塗ったりしたら、あなたはどう声をかけますか?
「〇〇ちゃん、お空は青色だよ」「リンゴは赤色だよ」と、つい教えてしまいたくなりますよね。でも、ちょっと待ってください。もしかしたら、その一声が、お子さまの持つ素晴らしい個性を摘んでしまうかもしれません。
この記事では、塗り絵を通して子どもの個性を伸ばすためのヒントをお届けします。
なぜ自由に色を選ばせることが大切なのか、そして、どのように子どもを見守れば良いのか、一緒に考えていきましょう。
目次
塗り絵は子どもの「心の窓」
塗り絵は、ただ色を塗るだけの遊びではありません。
実は、子どもがどんな色を選び、どんな風に塗るかによって、その時の心の状態や感情、そして個性が表れると言われています。
例えば、
- 明るい色をたくさん使う子:元気で前向きな気持ちを表していることが多いです。
- 落ち着いた色を好む子:穏やかで、集中力があるタイプかもしれません。
- 枠からはみ出して大胆に塗る子:エネルギーに満ち溢れ、自由な発想を持っている可能性があります。
- 細かく丁寧に塗る子:慎重で、物事をじっくりと考えるタイプかもしれません。
このように、塗り絵は言葉にならない子どもの気持ちを代弁してくれるツールなのです。
「ぬりえ図鑑」でも、様々なテーマの塗り絵を提供していますが、同じ絵柄でも、一人ひとりの子どもが持つ個性によって、全く違う作品に仕上がります。
自由に色を選ばせることの3つのメリット
では、お子さまに色を自由に選ばせることには、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?
1. 豊かな感性と創造性が育まれる
「お日さまは黄色」という固定観念にとらわれず、「今日はどんな気分かな?」「このお花は、何色にしたらもっと素敵かな?」と、自分の感性に従って色を選ぶことで、子どもの創造性や想像力はぐんぐん伸びていきます。
青いお日さまも、カラフルな草木も、子どもにとっては立派な「自分だけの世界」です。
色を自由に選ぶ経験は、**「自分らしい表現」**を大切にする心を育み、絵を描くことだけでなく、様々な表現活動の土台となります。
2. 自己肯定感が高まる
「こうしなきゃいけない」というルールがない塗り絵は、子どもにとって「自由に表現していい場所」です。
親が「いいね!」「素敵な色だね!」と肯定的な言葉をかけてあげることで、「自分の発想は認められているんだ」「この色を選んでよかったんだ」という気持ちが芽生え、自己肯定感が高まります。
これは、子どもが何かに挑戦する時に「失敗しても大丈夫」「自分らしくやってみよう」と思えるようになるための、とても大切な心の土台作りになります。
3. 色の知識や色彩感覚が自然と身につく
「自由に色を選ばせる」と言うと、「色を学ぶ機会を奪ってしまうのでは?」と心配になるかもしれません。
しかし、自由に色を選ばせることで、子どもは「青と黄色を混ぜたら緑色になった!」「ピンクと紫を並べると、こんな風に見えるんだ!」といった発見を自ら体験するようになります。
これは、ただ教えられるよりも、遥かに深く、色の仕組みや組み合わせの面白さを学ぶことにつながります。
塗り絵を通じて子どもの個性を伸ばすための接し方
お子さまが塗り絵をしている時、親はどのように接すれば良いのでしょうか?
NGな接し方
- 「お日さまは黄色だよ」と正解を教える
- 子どもの自由な発想を妨げ、正解を探すことに意識が向いてしまいます。
- 「もっときれいに塗って」と完璧を求める
- 子どもは完璧に塗ることばかりを気にするようになり、楽しさが半減してしまいます。
- 他の子と比べる
- 「〇〇ちゃんは上手だね」といった比較は、子どもの自信を損ねる可能性があります。
OKな接し方
- 「〇〇ちゃんは、どうしてこの色を選んだの?」と質問する
- 「空が夕焼けみたいだったから」「この色がかっこいいと思ったから」など、子どもなりの理由を聞いてあげましょう。
- 「わあ、素敵な色だね!」「元気が出る色だね!」と共感する
- 色そのものや、子どもの感性を肯定する言葉をかけてあげることが大切です。
- 「このお花、いろんな色で塗ってあるね、カラフルで素敵!」と変化に気づく
- 単に「上手だね」だけでなく、作品の具体的な部分を褒めてあげることで、子どもは自分の表現をさらに深めていきます。
まとめ:色と向き合う時間で、子どもの「らしさ」を育もう
塗り絵は、子どもが持つ感性や個性、そして豊かな心を育むための素晴らしいツールです。
「こうでなければいけない」という固定観念から解放し、自由に色を選ぶこと。それは、子どもが自分自身の心を解き放ち、自分らしさを表現する喜びを知るための第一歩です。
もし、お子さまが少し変わった色を選んでいても、「なぜかな?」と優しく問いかけたり、「面白いね!」と共感してあげたりするだけで、子どもは安心して自分の心を表現できるようになります。
「ぬりえ図鑑」では、動物やキャラクター、乗り物など、様々なテーマの塗り絵を無料で提供しています。
ぜひ、お子さまと一緒に、色と向き合う豊かな時間を過ごしてみてください。
そして、その中で生まれる「たったひとつの作品」を、最高の個性として大切にしてあげてくださいね。