オオイヌノフグリの塗り絵
オオイヌノフグリの特徴
早春の校庭を青くそめる花
まだ寒さの残る2月ごろ、校庭のすみや通学路のわきで、地面すれすれに小さな青い花がぽつぽつとさきはじめるよ。これがオオイヌノフグリだ。
「春だ」といちばん早く教えてくれる花のひとつなんだ。3月から4月には、地面いちめんが青くそまるほどたくさんさくよ。
背は低くて、茎は地面をはうように横へのびて、先のほうだけがちょこんと立ち上がるんだ。
花びらは4枚。でも1枚だけ小さい
花をよく見てみよう。花びらは4枚だね。でも、よく見ると1枚だけ小さいのが分かるかな。上と左右の3枚は大きく、下の1枚だけがひとまわり小さいんだ。
花の大きさは1センチくらい。小さいけれど、この「4枚のうち1枚が小さい」という形は、この花を見分ける大事なポイントだよ。
花の真ん中からは、おしべが2本とめしべが1本、合わせて3本が飛び出しているよ。塗り絵でも、そこまで描いてあるから数えてみてね。
青い花びらに走る、こい線
もうひとつの目印が、花びらのすじだよ。真ん中から外へ向かって、こい青色の線が放射状に走っているんだ。
このすじは、虫に「みつはここだよ」と教えるための道しるべだと考えられているよ。小さな花が、虫を呼ぶためにこんな工夫をしているなんて、おどろきだよね。
真ん中は白くぬけていて、そこに向かって線が集まっていく。とてもきれいな模様なんだ。
朝ひらいて、夕方には散ってしまう
おどろくことに、オオイヌノフグリの花はたった1日でしぼんで落ちてしまうんだ。こういう花を一日花というよ。
しかも、お日さまが当たっているあいだだけ開くんだ。くもりの日や夕方には、花を閉じてしまうんだ。
だから観察するなら、晴れた日のお昼ごろがいちばんだよ。次の日にはもう別の花がさいているから、「昨日と同じ花」を見ることはできないんだ。地面いちめんが青く見えるのは、毎日毎日、新しい花がさきつづけているからなんだよ。
名前は、実の形からついた
「オオイヌノフグリ」という、ちょっと変わった名前。じつは実の形からついた名前なんだ。
むかしから日本にはイヌノフグリという草があってね。その実の形が、犬のおしりのあたりにある、ふたつならんだふくらみに似ていることからその名前がついたんだ。
そして、あとから外国からやってきたこの草が、イヌノフグリに似ていて、しかももっと大きかった。だから「オオ(大)」をつけてオオイヌノフグリとよばれるようになったんだよ。
おもしろいのは、この草自身の実はハート形で、あまり似ていないこと。名前だけが、よその草からもらわれてきたんだね。
「星の瞳」という美しい別名
名前が名前だけに、「もっとかわいい名前にしてあげたい」と思う人は多いんだ。そこでつけられた別名が星の瞳だよ。
地面いちめんに、小さな青いひとみが空を見上げている——たしかに、そう見えるよね。
この草はヨーロッパや西アジアからやってきた草で、日本で確認されたのは明治のはじめごろ。1887年に東京で見つかってから、あっという間に日本中へ広がったんだ。まだ150年ほどのつきあいなんだよ。
オオイヌノフグリの色を塗るコツ
花びらのすじを、消さないように塗る
この塗り絵のいちばんの見どころは、花びらに走る放射状のすじ。ここをつぶさないのがすべてだよ。
やり方は、すじとすじのあいだを、うすい水色で1本ずつぬっていくこと。こい青でごしごし塗ると、線が全部消えてしまうんだ。
慣れてきたら、すじの近くだけ少し濃くすると、本物みたいに立体的になるよ。
真ん中は白いまま残す
花の中心は白くぬけているんだ。ここを塗らずに白いまま残すと、青い花びらとの差でぱっと目を引くよ。
飛び出しているおしべ2本とめしべ1本も、白のままか、うすい黄色にしてみて。小さな部分だけれど、ここを残すと絵がぐっと生きてくるんだ。
青は1色にしない
オオイヌノフグリの青は、コバルトブルーとよばれる、明るくてすんだ青だよ。
ぜんぶ同じ青で塗ると、のっぺりしてしまうんだ。花びらの外側をこい青、中心に近づくほどうすくしていくと、本物そっくりになるよ。水色・青・青むらさきの3色を使い分けるのもおすすめなんだ。
葉は丸いギザギザを残して
葉は丸に近い形で、ふちに丸みのあるギザギザがあるね。とがったギザギザではないところが、この草らしさなんだ。
ふちの形にそって、ていねいに塗っていこう。葉の色は明るい黄みどり。花の青とならぶと、とてもきれいな取り合わせになるよ。
塗ったら、晴れた日のお昼にさがそう
塗り終わったら、この絵を持って外へ。ただし晴れた日のお昼ごろに行ってね。
この花はお日さまが当たっているあいだしか開かないから、くもりの日や夕方に行っても見つけにくいんだ。
見つけたら、しゃがんで花びらのすじを数えてみて。絵に描いたとおりの模様が、本当に入っているのが分かるよ。
オオイヌノフグリの豆知識
名前は、よその草からもらってきた
オオイヌノフグリの「フグリ」は、犬のおしりのあたりにあるふたつのふくらみのこと。ちょっと言いにくい名前だよね。
でもこれ、この草の実の形から来た名前ではないんだ。日本にはむかしからイヌノフグリという草があって、そちらの実がその形に似ていた。あとから来たこの草が、その草に似ていてもっと大きかったので、「オオ」をつけてよばれるようになったんだよ。
オオイヌノフグリ自身の実はハート形で、じつはあまり似ていない。名前だけがもらわれてきた、ちょっと気の毒な草なんだ。
元祖の「イヌノフグリ」は、いま数が少ない
名前のもとになったイヌノフグリは、日本にむかしからある草だよ。うすい青色の、もっと小さな花をさかせるんだ。
ところがいまでは、ほとんど見かけなくなってしまった。すみかが減ったことや、あとから来たオオイヌノフグリに場所をとられたことが理由と考えられていて、絶滅が心配される草になっているんだ。
校庭いちめんに青くさいているこの花のかげで、元祖のほうが姿を消しつつある——そう思って見ると、少し複雑な気持ちになるね。
「星の瞳」という呼び名
名前が気の毒なので、この花には星の瞳という美しい別名がつけられているよ。
地面いちめんに、小さな青いひとみが上を向いているようすだね。そんなふうに見立てた名前なんだ。ほかにも「瑠璃唐草」など、きれいな呼び名がいくつもあるよ。
ひとつの草にこれだけ別名があるのは、それだけ多くの人が「この名前はかわいそうだ」と思ってきたからなのかもしれないね。
日本に来て、まだ150年ほど
これだけどこにでもある草だけれど、じつは日本に来てからまだ150年ほどしかたっていないんだ。
ヨーロッパや西アジアからやってきて、1887年に東京で見つかったのが記録の始まり。そこからあっという間に日本中へ広がったんだよ。
きみのおじいさん・おばあさんのそのまた前の世代にとっては、まだ「めずらしい草」だったかもしれないね。
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オオイヌノフグリ
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地面に広がるオオイヌノフグリ
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