マツムシの塗り絵
マツムシの特徴
「虫のこえ」の歌の、いちばんはじめの虫
マツムシは、秋の夜に草むらで鳴くコオロギのなかまだよ。
「あれ松虫が鳴いている チンチロチンチロ チンチロリン」という歌を聞いたことはないかな。明治時代から歌われている唱歌「虫のこえ」で、いちばんはじめに出てくるのがマツムシなんだ。
この歌には、ほかに鈴虫やコオロギ、クツワムシ、ウマオイも出てくるよ。
体は2センチほどの、うすい茶色
マツムシの体の長さは2センチくらい。スズムシよりひとまわり大きいよ。
体はうすい茶色で、ところどころに小さな黒い点がちらばっているよ。枯れ草の中にいると、どこにいるのかわからなくなるくらいなんだ。
頭は小さくて、糸のように細い触角は、体の2倍以上も長いよ。うしろ脚のももは太くて、ぴょんと大きくはねることができるんだ。
オスの翅は、楽器になっている
鳴くのはオスだけだよ。オスの背中には、はばの広い翅があって、中にくねくねとしたすじが走っているんだ。
このすじのところが、音を出すためのしくみ。オスは翅を立てて、左右の翅をこすり合わせて鳴くんだ。
メスの翅はオスより細くて、おしりの先には卵を産むための長い管があるよ。だから、背中の形を見ればオスかメスかがわかるんだ。
ススキの原っぱにすむ
マツムシがすんでいるのは、ススキなどの背の高い草がしげる、日あたりのよい原っぱだよ。川原の土手や、海の近くの草地、線路ぞいの土手などで見つかるんだ。
本州の新潟県より南と、四国、九州にすんでいて、大人になって鳴くのは8月の中ごろから11月ごろ。
声は遠くまでよくひびくのに、草の根もとの枯れ草の上で鳴いていることが多いから、すがたを見つけるのはとてもむずかしいんだ。
スズムシとの見分け方
マツムシとスズムシは、どちらも秋に鳴くコオロギのなかまで、名前もよく似ているね。
でも、見た目はぜんぜんちがうんだ。スズムシは体が黒っぽく、スイカの種のような形をしているよ。マツムシはうすい茶色で、体もひとまわり大きいんだ。
声もちがって、スズムシは「リーン、リーン」とすんだ声、マツムシは短く切れる高い声で鳴くよ。2つの塗り絵をならべて、色のちがいを見くらべてみてね。
マツムシの色を塗るコツ
体はうすい茶色から
マツムシの体は、うすい茶色だよ。まずベージュや黄土色をうすく全体にぬってから、上に茶色を少しずつ重ねていこう。
いきなりこい茶色をぬると、コオロギのような黒っぽい虫に見えてしまうんだ。
仕上げに、こげ茶で小さな点をぽつぽつ入れると、本物のマツムシらしいまだら模様になるよ。
翅は、すけて見えるようにぬる
オスの背中の翅は、うすくて少しすきとおっているんだ。
すじで区切られた面を、同じ色でぬりつぶさないのがコツだよ。面ごとにうすい茶色とクリーム色をかえてぬると、翅の下のおなかがすけて見えるような感じが出るよ。
すじの線の近くだけ少しこくすると、翅がぴんとはったように見えるんだ。
脚と触角は、先ほどこく
脚は、つけ根をうすい茶色、先へいくほどこげ茶にしてみよう。
うしろ脚の太いももは、まん中を明るく、ふちを少しこくすると、ふっくらした形になるよ。
長い触角は、細い線の中をぬるのがむずかしいから、茶色の色えんぴつで線をなぞるだけでもじゅうぶんだよ。
立てた翅は、すじの間をぬり分ける
横から見た絵では、オスが翅を立てて鳴いているところを描いているよ。
立てた翅は、うすくすきとおった茶色なんだ。すじで区切られた小さな面を、クリーム色とうすい茶色で1つずつぬり分けてみよう。
2枚の翅が重なっているところだけ少しこくすると、翅が2枚あることがよくわかるよ。
上から見た絵とならべてぬると、同じ翅がたたんだときと立てたときでどう見えるか、くらべられるんだ。
メスは、産卵管をこげ茶に
3枚目はメスだよ。おしりの先から、まっすぐな産卵管がのびているね。
産卵管は、先のほうがこい色をしているんだ。根もとをうすい茶色、先へいくほどこげ茶にすると、細い管がくっきり見えるよ。
メスの翅はオスより細くて、あみの目のようなすじが並んでいるよ。1枚目のオスとならべて、翅の形のちがいをくらべてみてね。
マツムシの豆知識
むかしは、スズムシと名前が逆だった?
平安時代の物語や歌にも、マツムシとスズムシは出てくるよ。
ところが、むかしの「松虫」はいまのスズムシのことで、「鈴虫」がいまのマツムシのことだったという説があるんだ。
どちらの名前がどちらの虫を指していたのか、はっきりとは決まっていないよ。それくらい、2つの虫は古くから人々に親しまれてきたんだね。
本物の声は「チンチロリン」?
歌では「チンチロリン」だけれど、本物のマツムシの声は、するどくて大きいんだ。
「ピッ、ピリリッ」と聞こえるという人もいるよ。家の近くで鳴くと、うるさくて眠れないほどなんだって。
秋の夜、ススキの原っぱで耳をすませて、自分にはどう聞こえるか、たしかめてみてね。
ガラスもすいすい登れる
マツムシの脚の先には、吸盤のようなやわらかいしくみがあるよ。
このおかげで、つるつるのプラスチックやガラスのかべでも、すべらずに登ることができるんだ。
飼育ケースで育てると、かべをすいすい歩くすがたが見られるよ。ふたをしっかりしめておかないと、にげてしまうから気をつけてね。
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マツムシ(上から見たところ)
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マツムシ(翅を立てて鳴くところ)
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マツムシのメス(産卵管のあるすがた)
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