塗り絵の参考になる海の生き物の図鑑5選

塗り絵の参考になる海の生き物の図鑑5選

クラゲは何色で塗ればいいのか。タコは本当に赤いのか。深海の魚は光るのか——。海の生き物のぬりえは、塗り始めた瞬間に手が止まる題材です。

それもそのはずで、陸の動物と違って実物を見る機会が少ない。水族館で見ても、照明の色に染まっていて本当の色が分かりにくい。だからこそ、図鑑が効きます。

今回は、魚以外の海の生き物——クラゲ、タコ、貝、深海の生物——を塗るときに手元に置きたい図鑑を5冊紹介します。魚については塗り絵の参考になる魚の図鑑5選にまとめています。

1. 魚以外を網羅する「小学館の図鑑NEO[新版]水の生物」

2019年6月刊行の新版、208ページ。監修は白山義久さん。エビ、タコ、貝類から、クラゲ、ヒトデ、ミジンコ、ミドリムシまで、背骨のない水生動物を約1000種収録しています。

塗り絵におすすめのポイント

この本の説明には「形を見ているだけでもおもしろい。さまざまな生態や、多種多様なすがた」とあります。まさに塗り絵向きの言葉です。

魚の図鑑では扱いが小さくなりがちなクラゲやタコが、この本では主役です。クラゲのぬりえを塗るときに、半透明の体をどう表現するか——その手がかりが見つかります。

2. 色の常識が崩れる「小学館の図鑑NEO 深海生物」

2021年6月刊行、184ページ。監修は藤原義弘さん。DVDも付いています。

塗り絵におすすめのポイント

深海の生き物は、赤や真っ黒、透明といった極端な色をしています。深い海には赤い光が届かないため、赤い体は黒く見えて敵から隠れられる——という理屈があります。

「なぜその色なのか」に理由があるので、塗るときの説得力が違います。子どもに「この色にした理由は?」と聞ける題材は、そう多くありません。

3. 机の横に置ける「学研の図鑑LIVEポケット 深海生物」

2022年7月刊行、200ページで1,078円。ポケットサイズながら中身は本格的です。監修は武田正倫さん。

塗り絵におすすめのポイント

大型図鑑を机に広げると、塗り絵の場所がなくなります。ポケット版なら色鉛筆の横に置いたまま塗れるのが利点です。

1,000円台なので、最初の1冊としても手を出しやすい価格です。水族館へ持っていくこともできます。

4. 入り口として最適「ゆるゆる深海生物図鑑」

そにしけんじさんによる176ページの本。沼津港深海水族館の館長・石垣幸二さんが監修に入っています。ゆるいイラストで深海生物を紹介する一冊です。

塗り絵におすすめのポイント

本格図鑑の写真は、正直なところ小さい子には少しこわいものもあります。深海魚は見た目が強烈です。

この本のようにイラストから入ると、抵抗なく興味を持てます。まず好きになってから、本物を見る。その順番のほうがうまくいく子は多いはずです。

5. クラゲに強い「小学館の図鑑NEO POCKET プランクトン」

2024年6月刊行、176ページ。クラゲ・ミジンコ・小さな水の生物を扱ったポケット図鑑です。

塗り絵におすすめのポイント

クラゲは塗るのがいちばん難しい生き物かもしれません。半透明で、内側が透けて見える。塗りつぶすと別物になってしまいます。

正解は「ほとんど塗らない」。ふちに沿ってごく薄く色を置き、中央は白いまま残す。この判断をするには、実物の見え方を知っておく必要があります。専門の図鑑が効く場面です。

海の生き物を塗るコツ

  • クラゲ|塗らない部分を多く残す。ふちだけ薄い青や紫
  • サメ|背中は濃いグレー、お腹は白。境目をぼかす
  • タコ・イカ|赤一色にせず、白っぽい部分を残すと生っぽさが出る
  • ウミガメ|甲羅の一枚ずつを少しずつ違う茶色で塗る
  • 深海魚|真っ黒に塗らず、こげ茶や濃紺を下地にする

水の中の生き物は、光が当たる上側が明るく、下側が暗いという共通点があります。これは海の波の塗り方とも通じる考え方です。

図鑑と一緒に塗ってみる

深海生物の色は、なぜ赤と黒ばかりなのか

深海生物の図鑑を2冊挙げたのには理由があります。「色の常識が通じない」ことを知るのに、いちばん向いた題材だからです。

深海の生き物には、赤いものと黒いものが極端に多い。これには理由があります。水は赤い光をいちばん早く吸収するので、深いところには赤い光が届きません。届かない光の色をしていれば、そこでは黒く見える=見つからないということになります。

つまり、深海の赤い生き物は「隠れるために赤い」のです。私たちが図鑑で真っ赤な姿を見られるのは、船の上に引き上げて光を当てたからにすぎません。

この話をしてから塗ると、色の選び方が変わります。「本当はどう見えているんだろう」と考え始めるからです。同じ絵柄を赤で1枚、黒で1枚塗ってみるのもおすすめです。

透明な生き物をどう塗るか

海の生き物でいちばん難しいのが、クラゲをはじめとする透明なものです。プランクトンの図鑑を挙げたのは、ここに使えるからです。

透明なものを塗る原則は3つだけです。

  • 面は塗らない|傘の中はほぼ紙の白のまま
  • ふちだけ塗る|輪郭のすぐ内側に薄い水色。厚みのあるところだけ色が見えます
  • 中身は塗る|胃や生殖腺は色があります。ここだけピンクや黄色を入れると、透明感が強調されます

3つめが効きます。透明に見えるのは、中身が透けているからです。中身を描かずに全体を薄く塗ると、透明ではなく「薄い色のかたまり」になります。

水族館のクラゲ水槽で1分見てから塗ると、この意味が一気に分かります。照明が変わるたびに色が変わるのは、クラゲ自身に色がほとんどないからです。