着物と和柄の塗り方|七五三・お正月・ひな祭りの晴れ着を華やかに

着物と和柄の塗り方|七五三・お正月・ひな祭りの晴れ着を華やかに

七五三、お正月、初詣、ひな祭り、秋祭り。行事の塗り絵には、着物を着た人がたくさん出てきます。ところが、いざ塗ろうとすると「柄が細かくてどこから塗ればいいかわからない」「全部塗ったら派手すぎた」と、手が止まりやすい題材でもあります。

着物は、柄の名前と意味を知り、色の選び方の決まりを1つ覚えるだけで、ぐっと塗りやすくなります。この記事では、ぬりえ図鑑の行事の塗り絵を例に、和柄と着物の塗り方を紹介します。

まずは「柄が先、地の色があと」

着物を塗るときの基本の順番は、柄を明るい色で先に塗り、そのあとで柄をよけながら地の色を塗ることです。先に地の色を塗ってしまうと、柄が埋もれて見えなくなります。くわしい手順と見本は、七五三の塗り絵で残す記念で紹介しています。

よく出てくる和柄と、その意味

着物や帯、ひな人形の衣装には、決まった形をくり返す和柄がよく使われています。どの柄にも、願いがこめられています。

柄の名前形こめられた願い塗り方のコツ
麻の葉(あさのは)六角形の中に星のような線麻のように、まっすぐ元気に育つ1つおきに色を変えると、星の形が浮かぶ
七宝(しっぽう)円がくさりのように重なる円満、人とのつながりが続く重なった部分だけこい色にする
青海波(せいがいは)半円の波が重なるおだやかな暮らしがずっと続く波の外側をこく、内側をうすく
市松(いちまつ)四角を交互に並べるとぎれずに、ずっと栄える2色だけで交互に塗る
矢絣(やがすり)矢羽根をたてに並べるまっすぐ進む、もどらない1列ずつ、2色を交互に
亀甲(きっこう)亀のこうらの六角形長生き六角形のふちを細く白く残す
麻の葉・七宝・青海波・市松・矢絣・亀甲の6つの和柄を、2色ずつで塗った見本
上の段左から麻の葉・七宝・青海波、下の段左から市松・矢絣・亀甲。どれも2色だけで、同じ形は同じ色に塗っています

柄が細かいときは、同じ柄は同じ色に塗ると決めてしまうのがいちばんの近道です。たとえば七宝なら「円は全部黄色、重なりは全部オレンジ」。ルールが1つあるだけで、どんなに細かい柄でも迷わずに進められます。

色は「3色まで」と決める

着物の塗り絵が派手になりすぎる原因は、色の使いすぎです。1人の着物に使う色は、地の色・柄の色・帯の色の3つまでと決めてください。柄の中の小さな花を全部ちがう色にしたくなりますが、3色におさえたほうが、遠くから見たときに上品な着物に見えます。

色の組み合わせに迷ったら、日本に昔からある色の名前を手がかりにするのもおすすめです。

  • 朱色(しゅいろ)|オレンジを塗ってから赤を重ねる。鳥居や晴れ着の赤
  • 藍色(あいいろ)|青に、こい紫を少し重ねる。浴衣や法被の青
  • 萌黄(もえぎ)|黄緑をうすく。春の若葉の色
  • 山吹色(やまぶきいろ)|黄色にオレンジを少し。金色のかわりにも使える
  • 桜色(さくらいろ)|ピンクをごくうすく。白に近いピンク

行事ごとの着物の塗り方

ひな人形は「重ねの色」を見せる

おひなさまの着物は、何枚もの着物を重ねて着る十二単(じゅうにひとえ)です。えりもとやそで口に、着物のふちが何本も重なって見えます。ここを外側から内側へ、こい色からうすい色へと順に塗り分けると、重ね着しているのがよくわかります。たとえば、こい赤、赤、ピンク、うすいピンク、白。昔の人は、この重ね方の美しさを競い合っていました。

ひな祭りの塗り絵には、お内裏様とおひな様を大きく描いた1枚があるので、重ねの色の練習にぴったりです。

羽織袴は、黒を真っ黒にしない

七五三の5歳の男の子が着ている黒い羽織は、黒の色鉛筆で力いっぱい塗ると、しわや形が消えてしまいます。こい灰色をしっかり重ね、しわの線の近くだけ黒をのせると、布のやわらかさが出ます。胸の家紋は、白く残してください。袴は、灰色と白のたてじまが定番です。お正月や初詣の絵で羽織を着た人がいたら、同じように塗ってみてください。

お祭りの法被と浴衣は、2色で

秋祭りの法被や浴衣は、もともと藍色と白の2色で作られることが多い着物です。藍色で塗り、柄やえりを白く残すだけで、ぐっとお祭りらしくなります。浴衣の帯は、赤や黄色など明るい1色にすると、藍色の中でよく目立ちます。子どもがたくさん描かれた絵なら、1人ずつ帯の色を変えると、にぎやかなお祭りの雰囲気が出ます。

動物の晴れ着も、同じ考え方で

未(ひつじ)の干支には、晴れ着を着たひつじがお正月あそびをしている絵があります。動物の着物も、塗り方は人と同じです。ひつじの白い毛と、赤い晴れ着の対比を楽しんでください。

金色の刺しゅうは、最後に

晴れ着の帯やひな人形の衣装には、金色の刺しゅうがよく使われています。金色は、黄色を塗ってからふちに黄土色を重ね、まん中を少し白く残すと、光って見えます。くわしくは金属・ガラスの塗り方をどうぞ。

着物を塗れる行事のぬりえ