お城やお寺の塗り絵は、子どもには「むずかしそう」、大人には「どこから塗ればいいか分からない」と言われがちな題材です。屋根、壁、石垣、柱と、ちがう素材がいくつも重なっているからです。ぬりえ図鑑では、日本の名所の塗り絵をふやしてから、お城や神社の塗り絵がよくダウンロードされるようになりました。修学旅行や家族旅行の前に塗る人も多いようです。
でも、素材ごとに塗り方を1つずつ覚えてしまえば、どのお城にも同じやり方が使えます。この記事では、ぬりえ図鑑のお城・神社・寺のぬりえを例に、瓦屋根・白壁・石垣・朱色の柱の4つの塗り方を紹介します。
塗る順番は「白壁を決める → 屋根 → 石垣 → 空」
お城の塗り絵でいちばん大事なのは、最初に「白く残すところ」を決めておくことです。姫路城のような白いお城は、壁の大部分を塗りません。先に屋根や石垣を塗りはじめると、勢いで白壁まで灰色にしてしまい、白いお城が灰色のお城になってしまいます。
白い部分が決まれば、あとはどんな色を使っても、お城らしさがくずれません。白壁を決めたら、次は屋根、そのあと石垣、最後に空です。空を最後にするのは、お城の色が決まってから、それがいちばん映える空の色やこさを選べるからです。空はお城のふちから少しはなして塗りはじめ、最後にふちのきわを細くなぞると、白壁に色がはみ出しません。

瓦屋根|灰色に少しだけ青をまぜる
瓦は灰色ですが、灰色1本だけで塗ると、くすんだ重たい屋根になります。灰色の上に、ほんの少し青を重ねると、空の光を映した瓦らしい色になります。
屋根は、ふち(軒先)にいくほど少しこく塗ってください。本物の屋根は、上を向いている面がいちばん明るく、反り返ったふちのほうがかげになるからです。瓦の筋が描いてある絵なら、筋にそって色鉛筆を動かすと、自然に筋が浮き上がります。
例外もあります。会津若松の鶴ヶ城の屋根は、雪に強い赤い瓦(赤瓦)です。日本でただ1つの赤瓦の天守なので、ぜひ赤茶色で塗ってみてください。
白壁|塗らずに、のきの下だけかげを入れる
白壁は、紙の白をそのまま使います。そのかわり、屋根のすぐ下(のきの下)にだけ、うすい灰色の細いかげを入れてください。屋根が日ざしをさえぎってできるかげで、これがあるだけで、屋根が壁から張り出している立体感が出ます。
窓(格子窓)は、こい灰色やこげ茶で。窓を最後に少しこく塗ると、白壁がいっそう白く見えます。白いものの見せ方は雪と氷の塗り方でもくわしく書いています。
黒いお城もあります。松本城や熊本城は、壁に黒い板(下見板)を張ったお城です。黒の部分は、真っ黒にぬりつぶさず、こい灰色をしっかり重ねて、板の筋を少し残すと、木の板らしさが出ます。
石垣|石を1つずつ、ちがう色にする
石垣でよくある失敗は、全体を同じ灰色でぬりつぶすことです。そうすると、石の形が消えて、ただの灰色の壁になってしまいます。
本物の石垣を見ると、石は1つずつ色がちがいます。灰色、うすい茶色、青っぽい灰色。石を1つずつ、少しずつちがう色やこさで塗り、石と石のすき間は白く細く残す。時間はかかりますが、そのぶん「お城を塗った」という満足感がいちばん大きい部分です。小さな子には、「この石は茶色、となりは灰色」と交互に塗るだけでも十分です。
朱色の柱|赤にオレンジを重ねる
神社の鳥居や、清水寺・伏見稲荷大社の柱は朱色です。朱色は、赤よりも少し黄みがかった明るい赤。赤だけで塗ると重たくなるので、オレンジを塗ってから赤を重ねると、朱色に近づきます。
朱色は、むかしから魔よけの色とされ、木を虫やくさりから守る役目もあったと言われています。沖縄の首里城も、建物全体が朱色のお城です。
金閣寺の金色は、黄色と黄土色で
金閣寺は、建物の上の2階が金ぱくでおおわれています。金色の色鉛筆がなくても、黄色を塗ってから、柱やふちにだけ黄土色を重ね、まん中を少し白く残すと、光った金に見えます。池にうつった金閣は、本物よりうすい黄色にすると、水面らしさが出ます。くわしくは金属・ガラスの塗り方をどうぞ。
しゃちほこと、屋根のかざり
お城の屋根のいちばん上には、魚のような形のかざりしゃちほこがのっていることがあります。しゃちほこは、火事のときに水をふき出して火を消すと信じられていた、想像上の生きものです。名古屋城の金のしゃちほこが有名ですね。
しゃちほこは小さな部分ですが、金色や銀色で塗ると、お城全体がぐっと引きしまります。屋根を塗り終えたあと、最後のしあげに塗ってみてください。空は、白いお城なら水色、黒いお城ならうすい水色に白い雲を残すと、お城の色がよく映えます。