塗り絵の参考になるカブトムシ・クワガタの図鑑5選

塗り絵の参考になるカブトムシ・クワガタの図鑑5選

「カブトムシの角って、どこから生えてるの?」「クワガタのハサミ、左右おなじ?」——ぬりえを塗っている子どもから、こんな質問が飛んでくることがあります。

塗り絵は、ただ色を塗る作業ではありません。形をじっくり見て、色を決めて、自分の手で仕上げる観察の時間です。そしてカブトムシとクワガタは、その観察のしがいが特に大きい題材です。黒に見える体をよく見ると、赤みがかったもの、緑に光るもの、白い毛が生えているものがいる。図鑑を開いた瞬間、その事実に気づきます。

今回は、塗り絵のおともにしたいカブトムシ・クワガタの図鑑を5冊紹介します。「標本写真が正面や側面から見られるか」「持ち運べるか」といった、塗り絵に使うときの視点で選びました。

1. 標本写真の情報量なら「小学館の図鑑NEO[新版]カブトムシ・クワガタムシ」

2025年7月に出た新版です。クワガタムシのなかま、カブトムシのなかま、ハナムグリのなかまなど、甲虫を系統ごとに整理して収録しています。248ページとボリュームがあり、DVDも付いています。

塗り絵におすすめのポイント

この本の説明には「美しい標本写真で昆虫の形態がよく分かります。背面だけでなく、側面や正面、個体によるちがいも多数紹介しています」とあります。塗り絵にとって、これがそのまま利点になります。

ぬりえの図案は真上から見た角度とはかぎりません。斜めや横向きの絵を塗るとき、背面の写真しかないと「この面はどんな色だっけ」と手が止まります。正面・側面が載っていれば、そこで迷いません。個体差が紹介されている点も、「正解はひとつではない」と伝えるのに向いています。

2. 迫力ある誌面で引き込む「学研の図鑑LIVE カブトムシ・クワガタムシ」

学研の図鑑LIVEシリーズの18巻目。208ページで、監修は昆虫学者の岡島秀治さんです。

塗り絵におすすめのポイント

LIVEシリーズは、写真を大きく使った誌面づくりが特徴です。まだ字が読めない年齢でも、写真だけで楽しめるのが強みで、「これ塗りたい」と自分で選ぶきっかけになります。

塗る前に子どもに図鑑を渡して、好きな一匹を選んでもらう。それからその虫のぬりえを印刷する——という順番にすると、取り組み方がまるで変わります。

3. 机の横に置ける「小学館の図鑑NEO POCKET カブトムシ・クワガタムシ」

NEOのポケット版です。192ページで、価格も本格図鑑の半分ほど。「図鑑といっしょに遊びに行こう!」というコンセプトどおり、持ち出す前提でつくられています。

塗り絵におすすめのポイント

大型図鑑は重く、塗り絵をしている机の上に広げると場所を取ります。ポケット版なら色鉛筆の横に置いたまま塗れるので、「気になったらすぐ見る」という動きが自然にできます。

2冊目としてはもちろん、最初の1冊としても扱いやすいサイズです。子どもが自分で持ち歩ける重さ、というのは意外に大きな条件です。

4. 見分けに強い「クワガタムシハンドブック 増補改訂版」

クワガタムシに絞ったハンドブックです。著者は横川忠司さん。手のひらサイズながら、種を見分けるための情報がまとまっています。

塗り絵におすすめのポイント

ノコギリクワガタ、ミヤマクワガタ、オオクワガタ。名前は聞いたことがあっても、大アゴの形の違いを説明できる子は多くありません。ハンドブックは、まさにその違いを見比べるための本です。

ノコギリクワガタミヤマクワガタのぬりえを並べて塗りながら、手元で見比べる。名前と形が結びつく瞬間があります。

5. 飼い方まで踏み込む「カブ&クワスーパー大図鑑」

実業之日本社から出ている125ページの本で、正式名称は『日本と世界のカブトムシ・クワガタの飼いかた カブ&クワスーパー大図鑑』。カブトムシの飼いかたと図鑑、クワガタの飼いかたと図鑑、という構成です。著者の安藤誠起さんは人物撮影を得意とするカメラマンでもあります。

塗り絵におすすめのポイント

この本の位置づけは、ほかの4冊と少し違います。「塗る」から「飼う」へ関心が広がったときの受け皿です。1,000円台とお手ごろで、図鑑と飼育の両方が1冊に入っています。

実際に飼い始めると、塗り絵の見え方が変わります。生きているカブトムシを毎日見ている子は、脚の関節の位置や、角の付け根のふくらみまで塗り分けようとします。

図鑑を見ながら塗るときのコツ

カブトムシもクワガタも、ぬりえでは「黒」で塗られがちです。でも図鑑を開くと、そう単純ではないことが分かります。

  • 黒に見える体|こげ茶や赤茶を下地にして、上から黒を重ねると深みが出る
  • 光るところ|背中の中央など、白く塗り残すと硬い殻の質感になる
  • 脚と体の境目|いちばん暗くする。ここを濃くすると立体に見える
  • 外国のカブトムシ|緑や青の金属光沢を持つ種もいる。図鑑で確認してから塗る

黒一色にしない、という点は光沢の塗り方の考え方とも共通しています。使う色を増やしたいときは子どもの色鉛筆の選び方も参考にしてください。

図鑑と一緒に塗ってみる

まとめ

図鑑は、塗り絵の「答え合わせ」の道具ではありません。塗る前に見て、塗りながら迷って、塗ったあとにもう一度見る。その往復のなかで、子どもは自分で色を決められるようになります。

まずは1冊、机の横に置いてみてください。次にカブトムシを塗るとき、手が止まる回数がきっと減ります。