「消防車って、なんで赤いの?」「救急車のあのマーク、なに?」——働く車のぬりえは、質問が生まれやすい題材です。
それもそのはずで、働く車の色や形にはぜんぶ理由があります。目立たなければ危ないから赤い。夜でも見えるように反射材が貼ってある。作業する場所によって、アームの形が違う。理由を知ってから塗ると、同じぬりえがまったく違う時間になります。
ぬりえ図鑑でも、働く車は人気カテゴリーのひとつです。今回は、塗り絵のおともにしたい「働く車」の図鑑を5冊紹介します。年齢に合わせて選べるよう、はじめての1冊から本格的なものまで並べました。
1. 分類の考え方まで学べる「小学館の図鑑NEO〔新版〕乗りもの」
2022年11月に出た新版で、208ページ。鉄道・自動車・飛行機・船から約800種類を収録しています。DVD付きです。
塗り絵におすすめのポイント
この本の説明には「自動車では、特に、消防、工事の自動車で、車両の持つ機能や役割に注目して分類」とあります。働く車を「見た目」ではなく「仕事」で並べているわけです。
これは塗り絵と相性がよい構成です。同じ消防車でも、はしご車・化学消防車・救助工作車では役割が違い、装備も色の配置も変わります。役割から入ると、細部を塗り分ける理由が生まれます。
2. 働く車だけを集めた「はたらくくるま大図鑑DX」
永岡書店の「こども写真ひゃっか」シリーズ。64ページとコンパクトながら、DVD付きで1,540円という手に取りやすい一冊です。監修は海老原美宜男さん。
塗り絵におすすめのポイント
総合図鑑では、働く車は自動車の一部として扱われます。この本は最初から働く車だけなので、ページをめくるたびに違う車が出てきます。「次はこれを塗りたい」が続きやすい構成です。
64ページという分量も、子どもが自分で最後までめくりきれる長さです。
3. 第一人者が撮った「はじめてのずかん はたらくくるま」
高橋書店から2021年に出た96ページの図鑑。著者の小賀野実さんは、鉄道・自動車・飛行機・船と乗り物全般を撮影してきた写真家で、特に働く車のジャンルでは第一人者とされる方です。
塗り絵におすすめのポイント
写真家が撮った図鑑は、車体の角度が考えられています。真横だけ、真正面だけ、という載せ方ではなく、その車のいちばん特徴が出る角度で撮られている。ぬりえの図案と見比べたとき、対応させやすくなります。
4. 3〜4歳の最初の1冊に「NEOスタート はじめての はたらくくるま」
小学館の図鑑NEOスタートシリーズ。監修・写真はこちらも小賀野実さんです。1,078円と手ごろで、就学前の子ども向けにつくられています。
塗り絵におすすめのポイント
本格図鑑は情報量が多く、3歳児にはページが渋滞して見えます。必要なのは「この車はこういう色」が一目で分かること。そこに絞られたスタート版は、塗る前の確認用として使いやすい本です。
物足りなくなったら上のシリーズへ、という道筋がはっきりしているのも安心材料です。
5. しくみが見える「小学館の図鑑NEO まどあけずかん のりもの」
32ページのしかけ絵本タイプ。「まど」をあけると、のりものの動きやしくみが分かる構成です。本文は日英両方が入っています。
塗り絵におすすめのポイント
働く車の塗り絵でつまずくのは、「この部分は何をするところか分からない」というときです。ミキサー車の回るドラム、クレーン車の支える脚。役割が分かると、そこを塗り分ける手が動きます。
しかけをめくる動作そのものが小さい子には楽しく、図鑑を「読む」前の入り口になります。
働く車を塗るときの色メモ
| 車両 | 主な色 | 塗るときのポイント |
|---|---|---|
| 消防車 | 赤・銀・黒 | ホースやはしごの銀色を塗り残すと質感が出る |
| 救急車 | 白・赤 | 白い車体に薄いグレーで影を入れる |
| パトカー | 白・黒 | 黒と白の境目をはっきりさせる |
| ショベルカー | 黄・オレンジ | アームの関節を濃くすると動きが出る |
| ミキサー車 | 白・青系 | ドラムの筋を一本ずつ塗り分ける |
白い車体を紙の白のまま残さず、薄い影を入れる——という考え方は新幹線の塗り方でも解説しています。使う色を増やしたいときは子どもの色鉛筆の選び方もどうぞ。
図鑑と一緒に塗ってみる
- パトカー(パトロールカー)|働く車でいちばん人気
- 救急車|白い車体の練習に
- 消防車|銀色の装備が塗りごたえあり
- 働く車のぬりえ一覧|全19種
- 塗り絵の参考になる車の図鑑5選|乗用車はこちら
年齢で選び分ける
働く車の図鑑は、年齢によって向き不向きがはっきり分かれます。大人が良いと思った本を渡しても、開いてもらえないことがあります。
| 年齢 | 向いている本 | 理由 |
|---|---|---|
| 2〜3歳 | はじめてのずかん/NEOスタート | 1ページ1台。字が読めなくても見られる |
| 4〜5歳 | まどあけずかん | しかけをめくる動作が続く理由になる |
| 小学生 | 図鑑NEO 乗りもの/大図鑑DX | 種類と数で満足できる年齢 |
目安として、「文字が主役になっている本は、読めるようになってから」です。写真が大きく、1ページの情報が少ない本のほうが、小さい子には長く使えます。
働く車の色には意味がある
塗る前に知っておくと面白いのが、車体の色が決まっている理由です。好みで決まっているわけではありません。
- 消防車の赤|法令で「朱色」と定められています。好きな色にはできません
- パトカーの白黒|もとは白一色でしたが、他の白い車と見分けるため下半分を黒に
- 工事車両の黄色|遠くからでも目につく色。安全のための配色です
- 救急車の白|清潔さを示す色として国際的に使われています
つまり、働く車の色は「見つけてもらう」ためにあるということです。この話をしてから塗ると、色を勝手に変える子でも「これは赤じゃないとだめだね」と自分で言い出します。
逆に、ダンプカーやミキサー車には決まりがありません。会社ごとに色が違います。ここは自由に塗って構いません。決まっている色と、自由な色がある——それを知るだけでも、この題材は価値があります。