山手線から始める鉄道ぬりえ|帯の色で路線を覚える

山手線から始める鉄道ぬりえ|帯の色で路線を覚える

ぬりえ図鑑でいちばん多くダウンロードされているのは、山手線です。600種類以上あるぬりえの中で、恐竜でもカブトムシでもなく、あの黄緑色の電車が1位でした。

理由はおそらく、毎日見ている電車だからです。乗ったことがある、駅で見かける、親が「これに乗って会社に行くんだよ」と言う。身近だからこそ塗りたくなる。

そして山手線には、塗り絵の入り口としてちょうどいい特徴があります。帯の色さえ合っていれば、それらしく見えるのです。

うぐいす色は「みどり」では出ない

山手線の帯は「うぐいす色」と呼ばれる黄緑です。12色セットの「みどり」で塗ると、濃すぎて別の路線に見えます。

  1. きいろを、帯全体に薄く塗る
  2. 上からみどりを軽く重ねる
  3. 足りなければ、もう一度みどりを重ねる

順番が大事です。黄色を先に敷くと明るい黄緑になりますが、緑を先に塗ると上から黄色をのせても色が変わりません。明るい色からというのは、塗り絵全般に通じる原則です。

この重ね方はグラデーションの基本テクニックでも扱っています。

車体の銀色は「塗らない」

帯以外の車体はステンレスの銀色です。ここで多くの人が灰色を塗ってしまいますが、銀色は塗らないほうが銀色に見えます。

やることは2つだけです。

  • 車体の大部分は白いまま残す
  • 窓の下と車体の下端にだけ、薄いグレーを細く入れる

金属は光を反射するので、明るいところと暗いところの差が大きく、中間がありません。全体を灰色で塗ると、金属ではなくコンクリートに見えます。

帯1本で路線が分かる

日本の通勤電車には、路線ごとに色が決まっているという面白い特徴があります。車体はどれも似た銀色なのに、帯の色だけで見分けられます。

路線帯の色色の作り方
山手線うぐいす色(黄緑)きいろ → みどりを重ねる
京浜東北線水色あおを薄く。濃く塗らない
中央線(快速)オレンジきいろ → だいだいを重ねる
中央・総武線黄色きいろのまま。影に黄土色
京急線赤(車体全体)あかを2〜3回重ねる
横須賀線青とクリーム青は濃紺寄り。クリームは塗り残し気味に

山手線と京浜東北線は、東京・品川間などで並んで走ることがあります。同じ形の電車が、帯の色だけ違って並ぶ。塗り比べると、その意味が分かります。

色当てクイズにする

何枚か塗って並べたら、遊びに変えられます。

  • 路線名を隠して当てる|帯の色だけで分かるか
  • 駅で答え合わせ|本物を見て「塗った色と同じ?」
  • 自分の使う路線から|通園・通学で乗る路線を先に塗る

3番目がいちばん効きます。自分が乗る電車を塗った子は、次に駅へ行ったとき車両をじっと見ます。塗り絵が観察のきっかけになる瞬間です。

次に進むなら

通勤電車に慣れたら、色数の多い車両に進みます。

  • 江ノ電|緑とクリームのレトロな配色。塗り分けの面積が広い
  • 南武線|帯が複数色。塗り分けの練習に
  • ドクターイエロー|黄色は濃淡がつけにくい。影はオレンジで

新幹線に挑戦するなら新幹線の塗り方で、E5系の深い緑の作り方を解説しています。

塗ってみる

なぜ路線に色がついているのか

帯の色で路線が分かる——これは偶然ではなく、意図してそうしてあります。

国鉄時代、同じ形の電車を各路線に配ったときに、見分けがつかないと乗り間違いが起きるという問題がありました。そこで路線ごとに色を割り当てた。これが今の路線カラーの始まりです。

だから路線の色は、文字が読めない人にも伝わる仕組みになっています。駅の案内板、路線図、時刻表、そして車両の帯。全部が同じ色でそろえてあります。

この話をしてから塗ると、帯の色を適当に塗らなくなります。「間違えたら乗る人が困る」という理由が分かるからです。ここは「本物どおりに塗る」意味がある数少ない題材です。

駅で確かめる遊び

塗ったあと、実際の駅で答え合わせができるのがこの題材の強みです。

  • 路線図の色と、車両の帯の色を見比べる|同じであることを自分で確かめさせます
  • ホームの案内板の色を見る|床の乗車位置にも色が使われていることがあります
  • 次に来る電車の色を当てる|案内表示を見れば分かります。当たると盛り上がります

気をつけたいのは、塗った色と実物が少し違うことです。うぐいす色は、光の当たり方でかなり印象が変わります。「違うじゃん」となったときは、それが正しい観察だと伝えてください。

そのうえで、もう1枚塗ってみる。見てから塗り直した2枚目は、たいてい1枚目より本物に近づきます。塗る、見る、また塗る——この順番がいちばん効きます。